草津温泉の「時間湯」が「伝統湯」へ 条例改正し名称変更 2019年に「湯長」制度廃止
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湯温を下げる湯もみをする時間湯の利用客ら(提供写真)

 湯治客の健康や症状を判断することなどが医療的行為として法令に反する恐れがあるなどとして、入浴法を指導する「湯長」制度が2019年に廃止された草津温泉独自の入浴法「時間湯」について、群馬県の草津町議会は10日、時間湯の名称を「伝統湯」に変更することなどを盛り込んだ条例改正案を賛成多数で可決した。施行は10月1日付。町としては以後、時間湯の名称を使わない方針だ。

 条例改正により、2カ所ある時間湯共同浴場「地蔵の湯」「千代の湯」の名称をそれぞれ「伝統湯地蔵」「伝統湯千代」と改称し、これまで時間湯が行われてきた浴場を「伝統湯浴場」と称することを明記。指定管理ではなく、町の直接管理に改めた。

 名称変更について黒岩信忠町長は、湯長廃止の議論の中で『時間湯』を商標登録しようとしたが、町議会委員会での審議のわずか数日後に、町側の申請よりも前に時間湯関係者が申請していたことが判明したと説明。「(関係者らによる時間湯の)私物化の証しそのものだ。いつまでも科学や法令に基づかない伝統への独善を断ち切る意味でも、『伝統湯』と改めた」と理由を述べた。

 今後の運営については、伝統湯地蔵では時間湯としての利用を廃止し、伝統的な湯治文化の雰囲気が残る浴場を生かし、貸し切り風呂として有料化する。これに伴い、浴槽の改修やシャワー設備の増設などを行うため一時利用を中止し、10月以降に再開する。

 一方、伝統湯千代は伝統湯の体験施設と位置付け、管理人が常駐し、湯もみやかぶり湯といった時間湯での伝統的な作法を利用者に手ほどきする。入浴料は無料を継続する。また時間湯で48度前後と高温が問題視された湯温については、いずれの浴場も44度以下とする。(桜井俊大)

◎「ブラックバスにしたら」 時間湯の名称変更 町長やゆ、町議に懲罰 草津町議会

 草津町議会は10日、同日の9月定例会で不適切な発言をしたとして、中沢康治町議を戒告とする懲罰を可決した。黒岩卓議長が戒告文を読み上げ、反省を促した。

 時間湯を伝統湯に改称することなどを盛り込んだ改正条例案の審議中、中沢町議は反対討論で、新名称を黒岩信忠町長の姓や入浴になぞらえ、「『ブラックバス』にしたらどうか」などと発言した。問題視した他の町議らが撤回や謝罪を求めたが中沢町議は応じず、懲罰動議が提出された。

 懲罰特別委員会では、この発言について「黒岩町長に対して、やゆする意図が明らか」などとし、戒告に相当すると判断した。

 中沢町議は「町長の名前と風呂の英訳をかけただけであり、町長を害する意図は全くない。新名称の代替案を提示しただけで、懲罰にかけられるのははなはだ不本意」と弁明した。(桜井俊大)

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