天候不順で野菜が高騰 コメも影響懸念 レタスやホウレンソウも収量減
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長雨による病気で変色してしまったレタスの葉=15日、昭和村
いもち病が発生した水稲の葉(県提供)

 8月中旬から続く天候不順の影響で、レタスやホウレンソウといった葉物を中心に野菜価格が高止まりしている。群馬県内外で低温や乏しい日照時間などにより、病気になったり生育が遅れたりして収量が減っているためだ。市場関係者によると、種類によっては今月下旬ごろまでは価格が下がりにくいとみられる。稲にも病気が見られ、収量の落ち込みを懸念する声が上がっている。

 「ここ数年、こんなに状態が悪いのは見たことがない」。昭和村でレタスを栽培している男性(39)は肩を落とす。例年は土が隠れるくらいに葉がびっしりと付くが、今年は小玉で農業用マルチシートが丸見え。外側の葉は茶色に変色している。長雨で葉が落ち、そこから病気が入り込んでしまったためだ。

 8月末に急きょ肥料を足したが、作付けたうち3割ほどを廃棄せざるを得なかったという。男性は「周囲では収穫できるものがなく全滅状態の農家もあると聞く。うちも今後1週間から10日くらいは収穫が厳しいかもしれない」と不安をのぞかせた。

 野菜や果物を取り扱う前橋青果(前橋市)によると、野菜の取引価格は落ち着きつつあるものの、小売店では葉菜類を中心に販売価格が高い状態が続く。

 昭和村の道の駅「あぐりーむ昭和」ではレタスやホウレンソウ、キュウリなどの仕入れ量が減り、特にホウレンソウの価格が高騰。この時季は例年100円程度で販売しているが、今年は150~190円の値が付いている。

 前橋地方気象台によると、8月の合計日照時間は、前橋で161.9時間(前年比78.1時間減)、みなかみで129.1時間(57.7時間減)と3割ほど少なかった。8月の最高気温は、全13観測地点の全てで前年を1.9~4.0度下回った。

 県によると、8月中旬の低温により、水稲の葉や穂を枯らす「いもち病」が例年に比べて多く発生。9月も低温と日照不足が続き、生育の遅れが見られるという。担当者は「生育が遅れた分、成熟が寒い時季に当たってしまわないか心配。このまま天候不順が続くと収量に影響が出る可能性がある」と眉をひそめた。

 自然災害などで農作物の販売収入が減った農家や法人に保険金を支給する「収入保険」制度を運用する県農業共済組合(NOSAIぐんま)によると、15日時点で19件の先払い希望があり、既に保険金を支払ったケースもあるという。担当者は「ナスやトマトなど露地野菜の農家を中心に、前年をかなり上回るペースだ」と話した。(飯島礼)

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