走り続けて24年 オール2階建て新幹線「E4系」に惜しむ声 思い出“Max” 10月ラストラン
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日本唯一のオール2階建て新幹線車両「E4系」(JR東日本提供)
駅構内に掲示されたメッセージパネルを見る乗客=21日、JR高崎駅

 上越新幹線を走る日本唯一のオール2階建て新幹線車両「E4系」が10月1日で定期列車としてのラストランを迎える。最大で1600人以上の乗客を運べる異色の新幹線が、24年間の歴史に幕を下ろす。JR高崎駅(群馬県高崎市)では今月上旬から、駅員らが感謝の思いを込めて作成したパネルやポスター25種類計約110枚を掲示。愛用してきた乗客からも名残を惜しむ声が上がっている。

定員、世界最多

 JR東日本によると、E4系は1997年に東北新幹線の車両としてデビューした。現在は上越新幹線「Maxとき」「Maxたにがわ」の列車名で1日当たり19本を運行。8両編成を二つ連結して走ることもあり、その場合の定員は1634人と世界の高速鉄道で最多だ。

 JR東は、より高速なE7系への置き換えを進め、2020年度末までに完了する予定だった。だが19年の台風で長野市の北陸新幹線の車両基地が浸水。E7系が大量に廃車となり、上越新幹線に投入予定だったE7系を北陸新幹線に転用したため、E4系の引退が先延ばしになっていた。

高速化難しく

 鉄道博物館(さいたま市)によると、オール2階建ての新幹線は94年の東北・上越のE1系が初。当時、北関東などから東京に遠距離通勤する乗客が急増したため誕生した。一方、2階建て車両は重量や空気抵抗の問題で高速化が難しく、バリアフリーにも対応しづらいため、一部の車両が2階建てだった東海道・山陽の100系などを含め、姿を消していった。

 E4系のラストランが迫る中、高崎駅では独自の取り組みとしてパネルやポスターを掲示。社員が「長い間ありがとう」「大きな車体でたくさんの人や想いを届けてくれた」などのメッセージを、愛着を込めて書き込んだ。中には「(ダイヤの)異常時は1634人乗れるMaxが心強く見えた。混雑の中、『ご安心下さい』と叫んだのが懐かしい」とエピソードをつづったものもある。10月1日のラストランまで掲示する。

 同駅でパネルを眺めていた新潟県湯沢町の会社員、南雲武志さん(53)はここ5年間、通勤で越後湯沢駅から高崎駅までE4系に乗車してきた。「2階に乗ると酔ってしまうので、いつも1階に乗っている」と苦笑い。「いつも決まった車両、決まった座席に乗っているので、なくなってしまうのは寂しいですね」と感慨深い様子だった。

 さいたま市の会社員、福田章二さん(30)は仕事のため、大宮―高崎間を週1~2回、コロナ前は多いと月に10回ほど乗車。「2階建てだと、すいていて朝の通勤時はありがたかった」と話した。

 同社新潟支社によると、10月1日は高崎駅でセレモニーなどは行わないが、同駅員がデザインした記念の掛け紙をした荻野屋「峠の釜めし」を数量限定で販売するという。

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