前住職が数千万円流用か 檀家、新住職と解決方法巡り対立 藤岡・水宮寺
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 昨年10月に亡くなった群馬県藤岡市上戸塚の真言宗智山派寺院「宗教法人水宮寺」の前住職が、数年間にわたって法人の資産を個人流用していたことが22日、分かった。檀家(だんか)によると、流用額は数千万円に上る可能性があるという。この問題の解決方法を巡り、智山派本山の智積(ちしゃく)院(京都府)が8月に任命した新住職と檀家側の間で対立が深まり、檀家側が新住職の就任に反発する事態になっている。

 檀家総代(83)らによると、前住職の男性は成田山新勝寺(千葉県)の紹介で1996年に就任し、同県成田市の自宅マンションと水宮寺を往復する形で生活していた。昨年10月21日に境内にある住居用の庫裏の中で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。

 翌月に檀家数人が庫裏を清掃した際、前住職が記録した同寺の会計簿と領収書やレシートを貼り付けたノートを発見。会計簿には2013~16年分を除く09年1月~20年10月の収支が記載されており、中にはマンションの管理費やゴルフコンペ代、遊技費など前住職の個人的支出とみられる項目が複数あった。それらの金額をまとめると、約3000万円に上るという。

 宗教法人は通常、年度別に会計をまとめ、法人役員らに報告する必要があるが、同寺では行われていなかったといい、檀家総代は「前住職は何も教えてくれなかった。信頼していただけにショックは大きい」と困惑している。

 檀家総代らが今後の対応について新勝寺に相談していたところ、今年2月に水宮寺の責任役員を務める新勝寺の男性相談役らが藤岡市を訪れ、自身が新住職になることを提案。しかし、前住職の流用に関して檀家側に黙認を求めるような発言があったとして檀家側は反発し、新住職の就任を拒否する事態に発展した。

 その後、檀家総代らは智山派寺院の住職任命権を持つ智積院に対し、別の住職の就任を要望する嘆願書を提出したが、智積院からは8月に男性相談役を新住職に任命したという連絡があった。

 男性相談役は上毛新聞の取材に対し、「正式な手続きを踏んだ上で本山が新住職として認めている。反対されるのは理解できない」と反論。前住職の流用については、「檀家側に黙認を促すようなことは言っていない。遺産相続人と協議を進め、12月までに解決するつもりだ」と語った。

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