消えた三角点 役割終え国土地理院が撤去 赤城・鍋割山の頂上
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鍋割山の三角点(手前右)=2013年2月10日、加藤仁さん撮影

 群馬・赤城山の鍋割山(1332メートル)山頂にあった二等三角点が、昨年12月に撤去されていたことが分かった。山の風化で埋められた部分が露出し、倒れる危険性があるため、管理者の国土地理院が掘り出した。設置からおよそ120年、登山客を見守り続けてきた山頂の目印。登山者の間で「三角点が消えた」「いったい誰が隠したのか」と話題になっていたが、測量技術の進歩による“引退”だった。

◎測量技術進歩 役割終える


 国土地理院測地基準課によると、鍋割山の二等三角点は1899(明治32)年に設置された。御影石製で、長さ80センチのうち70センチほどが埋まっていたが、長年にわたる風雨で周りの土砂が流れ出して露出し、倒れかかっていたことから、安全面を踏まえ撤去が決まった。

 昨年12月下旬に職員が鍋割山を訪れて掘り出した。重さが約80キロあるため、四つに分割して運び降ろした。

 鍋割山に50年以上登っているという前橋市の長岡康夫さん(77)は、3月上旬に登った際、三角点がないことに気付いたという。「山頂で休んでいてなにか物足りない気がした。三角点がないと分かり、最初は目を疑った。あんなに重いものが、なぜなくなったのか、不思議な気持ちだった」と振り返った。

 明治期以降、三角点は三角測量のために設置されてきた。一等から四等まで全国に10万点以上あるものの、現在は人工衛星を使った測量が主流となり、役目を終えつつある。富士山など登山者の多い著名な山で入れ替えがあるほかは、費用対効果を踏まえ、更新期に撤去されるケースが増えている。

 同課は「三角点を感慨深く見てくれる登山者がいるのは知っているが、コストをかけていけない部分もあり、理解してほしい」と説明している。

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