「地元で医師」夢断たれる 前橋出身の新潟大生がひき逃げ犠牲
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亡くなったみくさんの冥福を祈り、手を合わせる両親

 新潟市内で20日未明、前橋市出身で新潟大医学部5年、土屋みくさん(25)が車にひき逃げされ亡くなる事故があった。医師を目指し、故郷を離れて勉学に打ち込んでいたというみくさん。父の秀明さん(58)と母のまやさん(53)が25日、前橋市内の自宅で上毛新聞の取材に応じ、「素直で努力家の娘だった。まだ事実を受け入れられない」と声を絞り出した。

◎両親「受け入れられず」「犯人を絶対に許せない」

 事故は20日午前4時すぎ、新潟市中央区の市道で起きた。住宅街を歩いていたみくさんが乗用車にはねられ、搬送先の病院で死亡が確認された。新潟県警は同日、みくさんをはねて、そのまま逃走したとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで同市の会社員の男(52)を逮捕した。

 両親が事故を知ったのは、同日午前5時45分ごろ。自宅にかかってきた電話で、警察官の声色から嫌な予感がしたという。急いで新潟市へ向かう新幹線の中で、みくさんが亡くなったことを伝えられた。病院でみくさんの姿を目にしたまやさんは「きれいな顔で、名前を呼んだら今にも返事をしそうだった。それでも、体のどこを触っても冷たかった」と声を詰まらせた。

 みくさんについて、まやさんは「素直で努力家。私たちが『勉強しなさい』と言う前に、自分から机に向かっていた」と振り返る。特に数学と英語が得意で、前橋女子高から新潟大医学部に進んだ。憧れだった医学の道で学びながら、「やっぱり私の家は群馬だから」と、将来は県内に戻って医師として働く夢を描いていたという。

 最愛の娘を突然奪われた事故から5日。逮捕された男は「人とぶつかった認識はなかった」などとして、容疑を一部否認しているという。秀明さんは「娘が最期、人ではなく物として扱われて亡くなったと思うと苦しい。犯人を絶対に許せない」と力を込めた。

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