昨年5月のわ鉄脱線事故 枕木の不良が原因 運輸安全委が報告
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 群馬県と栃木県を走るわたらせ渓谷鉄道(わ鉄、みどり市)で昨年5月に発生した検査用車両の脱線事故で、運輸安全委員会は28日、枕木の状態が悪く、レールとの固定が緩んだため、2本のレールの間隔(軌間)が広がり、車輪が内側に落ちたのが原因とする調査報告書を公表した。この事故を含め、軌間拡大が原因の脱線が2016年10月~昨年5月に地方の鉄道で4件発生しており、安全委は国土交通相に対し、再発防止のための保守管理基準を周知し、コンクリート製枕木への交換を指導するよう求めた。

◎コンクリート製交換 各社進める

 検査用車両が直前に軌間を測っており、軌間の広がりがわ鉄の整備基準値4センチを超える約5センチになっていた。報告書は「枕木の不良による軌間拡大の危険性を把握できていなかった」と指摘した。再発防止策として、耐久性に優れ、保守管理が容易なコンクリート製枕木に交換することを挙げた。

 コンクリート製の導入コストは木製の2倍近くかかるとされ、わ鉄の導入率は3%にとどまっていた。事故後にみどり、桐生、栃木県日光の沿線3市と群馬、栃木両県でつくる再生協議会や国の支援を受け、2017年度中に約5万4000本ある木製のうち458本をコンクリート製に交換。22年度までに新たに1万0752本交換する計画だ。

 コンクリート製への置き換えは、県内鉄道各社も計画的に進めている。上信電鉄(高崎市)は線路の71%、上毛電鉄(前橋市)は25%がコンクリート製。両社とも費用がかかるため一度に交換する計画はないというが、「日々の点検で安全を確保する」(上信)、「管理を徹底して事故を防ぐ」(上毛)としている。

 脱線事故は、昨年5月22日午後3時ごろ、花輪―水沼間の八木原踏切(桐生市黒保根町水沼)近くのカーブで発生。乗車していた職員ら7人にけがはなかったが、一部区間で運休が19日間続き、延べ約1万人に影響した。

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