サクラの敵 クビアカツヤカミキリの被害が拡大 駆除で樹木守れ
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クビアカツヤカミキリ
被害に遭ったサクラを確認する野村支配人

 サクラの樹木などの内部を食い荒らすクビアカツヤカミキリの被害が群馬県内で広がっている。環境省が今年1月に生態系を脅かす恐れがあるとして特定外来生物に指定した昆虫で、花の名所として知られる東武トレジャーガーデン(館林市堀工町)は被害を確認したソメイヨシノ40本の伐採を決めた。専門家や行政関係者は被害地域の拡大を防ぐため、成虫が活発に動くこの時期の駆除を呼び掛けている。

◎特定外来生物 飼育や保管などは罰金や懲役の対象に

 クビアカツヤカミキリは体長約2.5~4センチで、体全体が光沢のある黒色、胸部(首部)が赤色なのが特徴。幼虫が樹木に寄生し、枯死させる。全国各地で被害が確認されており、県内では東毛地域で被害が広がっている。

 同ガーデンは、園内にある樹齢50~60年のソメイヨシノが40本全て被害に遭った。倒木の恐れもあることから、安全確保と被害拡大防止のため伐採することを決めた。野村憲之支配人は「(サクラは)4月の集客の核だったので残念」と話す。

 現在同ガーデンでは、森林総合研究所(茨城県)や日本大生物資源科学部(神奈川県)などがクビアカツヤカミキリの生態調査を進めている。さまざまなわなを用意し、捕獲に有効な方法を検証。生息域の把握や駆除に役立てるという。

 同大の深谷緑研究員は、成虫が飛び回る夏季は駆除に適しているというが、「虫の動きが活発なため、不適切な樹木の伐採や移動は被害拡大につながる」と注意を促す。このため同ガーデンにあるサクラの伐採は成虫の活動が落ち着いた時期に実施する予定だ。

 県農業技術センターによると、サクラ以外にもウメやモモ、スモモの樹木被害が確認されており、「ウメ農家の多い高崎や安中まで及ばないよう、拡大防止に努めたい」と話している。JA邑楽館林管内に多いナシの被害は確認されていない。

 館林市と邑楽郡5町、県は今年4月に対策協議会を立ち上げた。成虫が飛び回る夏季の駆除が被害拡大の防止につながるとみて、回覧板などで周知を図っている。

 協議会は「特定外来生物なので、飼育や保管などは罰金、懲役の対象となる」と指摘。成虫を見つけた場合、踏みつぶすなどして駆除するよう呼び掛けている。被害のあった樹木の処理には特別な注意が必要なため、地元自治体に相談してほしいとしている。

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