亡き人へ鎮魂の光 群馬・御巣鷹 日航機墜落からきょうで33年
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灯籠を流し犠牲者の冥福を祈る遺族ら=上野村
「昇魂之碑」前で最後となる追悼の音色を響かせる倉林さん

 乗客ら520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故から12日で33年となるのを前に、遺族らが11日夕、墜落現場「御巣鷹の尾根」がある群馬県上野村の神流川で灯籠を流した。「いつまでも見守って」などと書き込んだ灯籠約300個を川面に浮かべ追悼した。

 祖父の福田武さん=当時(56)=を亡くした倉田恵輔さん(26)=京都府木津川市=は事故の後に生まれた。「(武さんの子どもは)4姉妹だったから、男の子の孫をかわいがってくれたと思う」。灯籠流しに参加し、写真でしか見たことのない武さんに思いを巡らせた。12日は尾根に登る。「前回来たときは大学生。社会人になったよと報告したい」と話した。

 橋本毅さん(64)=栃木県大田原市=は、兄の栗原崇志さん=当時(33)=一家を失った。近年になり遺族会の活動に加わるようになった。「伝えていくことが今は大事。忘れてほしくない」との思いを強く持つ。灯籠にペンを走らせ、今年も誓った。「人のミスによる事故をなくすために、伝えていきます」

 会場ではアコーディオンとオカリナの団体が音色を響かせた。

 11日午前には、航空業界を目指す東洋大の学生7人や、藤岡青年会議所の企画で藤岡市の児童9人が尾根に登った。東洋大生は尾根の「昇魂之碑」に献花し、清掃した。日本航空の関連会社に就職が決まっているという福田侑菜さん(22)は「自分だからこそ入社後に生かせることがあると信じている」と決意した。

 遺族らは12日早朝から尾根に慰霊登山し、同日夕に村内の施設「慰霊の園」で追悼慰霊式が行われる。

◎尾根でデジタルホーン演奏 今年が最後…県警OB倉林さん

 月命日や開山日を中心に「御巣鷹の尾根」でデジタルホーンを演奏し、犠牲者の冥福を祈り続けてきた元県警警察官の倉林良光さん(71)=前橋市上新田町=は、持病の悪化などを理由に尾根での演奏を今年限りとすることを決めた。

 11日、倉林さんは痛む体をかばうようにゆっくりと山を登った。「昇魂之碑」の前で一礼した後、「見上げてごらん夜の星を」など穏やかな音色を響かせた。

 初めて尾根で演奏したのは2009年。黒のデジタルホーンは、それまで慰霊演奏をしていた知人の遺品だ。

 事故当時は、警察官として現場の捜索や遺族との連絡に当たった。「事故を風化させないために、山に登れなくても慰霊の演奏は続けたい」と力を込めた。

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