救急対応に「空白」支障を懸念 大沢知事 新ヘリ早期導入の意向
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献花し記帳をする大沢知事(手前)と橋爪議長=県庁

 群馬県防災ヘリコプター「はるな」が中之条町の山中に墜落した事故で、群馬唯一の防災ヘリが失われ、救命救助活動に支障が出ることが懸念されている。県警ヘリや近隣県のヘリに頼らざるを得ない状況で、一刻を争う現場への到着が遅れたり、県ドクターヘリの代わりに行っていた急病人搬送ができなくなったりする恐れがある。2020年度に予定する防災ヘリの新規導入について、大沢正明知事は14日、早期導入を目指す意向を示した。

 はるなは17年度、山岳・水難事故や林野火災などで190件の緊急運航をこなし、県ドクヘリの代わりに実施した、急病人やけが人の搬送は20件に上った。ぐんま県境稜線りょうせんトレイルの全線開通で登山者が増えれば、救助が必要な山岳事故も増える可能性がある。

 緊急運航が必要な事態が発生した場合、県は相互応援協定を結んでいる福島、茨城、栃木、埼玉、新潟、山梨、長野の7県に防災ヘリの出動を要請する。自前の防災ヘリがある場合と比べ、現地到着に要する時間が延びるケースが出る恐れがある。

 傷病者の搬送での防災ヘリ活用について、県は「はるながなくなったのでドクヘリ的な運用はできなくなる」(消防保安課)とし、他県への出動要請は困難との見方を示した。

 現行計画では2年後に防災ヘリの更新を予定しているが、大沢知事は記者団に対し「できるだけ早い段階で入れられるように手続きを進めたい」と述べた。

 総務省消防庁によると、防災ヘリの購入費用は10億~20億円台で、導入まで約1年半かかる。昨年3月の墜落事故で防災ヘリを失った長野県は、導入を早めるため機体のリース契約を結び、今年5月に運航を始めた。

◎県庁などに献花台 県

 県防災ヘリコプター墜落事故の犠牲者を追悼するため、県は14日、県庁県民ホールと群馬ヘリポート管理棟に記帳所と献花台を設置した。

 県庁では午後1時半の設置に合わせ、大沢正明知事と橋爪洋介県議会議長が9人の遺影を前に哀悼の意を表した。大沢知事は「無念の一言。多くの人々を救ってきた9人が一瞬にして命を落とされ、悔しい気持ちでいっぱいだ」と語った。

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