計画外のルート飛行 捜索に影響、国交省が群馬県に指導
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謝罪する横室危機管理監(右から2人目)ら=16日、県庁
 

 群馬県防災ヘリコプター「はるな」が中之条町の山中に墜落した事故で、国土交通省は16日、提出した飛行計画に記されていない場所にヘリが離着陸したり、ヘリが戻っていないのに国に到着の通知をしたりしたとして、県に飛行計画の順守などを求める行政指導をした。航空法に違反する疑いがあるという。実際の飛行ルートに沿った飛行計画を提出していれば、捜索活動を47分早く始められたと指摘している。

◎防災ヘリ墜落
 会見した横室光良危機管理監は「救助においては時間が非常に大事。遅れが出たとの指摘があり、大変申し訳なく思っている」と謝罪。国や警察による原因究明の調査に全面協力し、今後の消防防災体制を検証するとした。

 ヘリの運航は東邦航空(東京)に委託しているとして「東邦航空に正式な報告を求めたい」とも述べた。実際と異なる飛行計画を提出し、ヘリが到着したと誤った通知をしたことは、14日に国に指摘されて初めて把握したという。

 同席した同社の有吉衛運航部長は「(実際とは異なる飛行計画の提出と)事故との因果関係はなかった」と述べた。

 県は飛行当日の10日、国に飛行計画を提出した。前橋市の群馬ヘリポートを離陸した後、途中で着陸することなくヘリポートに戻ることになっていたが、実際には長野原町の西吾妻福祉病院に着陸。吾妻広域消防本部の5人を搭乗させてから離陸し、中之条町の山中に墜落した。

 操縦士ら関係者はヘリが病院に立ち寄るスケジュールを共有していた。国に飛行計画を提出した県防災航空隊の運航管理者(東邦航空社員)は、異なる内容だったことを認識していたという。県は過去にも同様の事例があったことを確認したと明らかにした。

 運航管理者は同日午前11時19分、ヘリが消息不明になったことを知りながら、群馬ヘリポートにヘリが戻ったと国に通知。52分後の午後0時11分に、東邦航空が国に事故の一報を入れた。

 航空救難の取り決めでは、着陸予定時刻から30分が過ぎても連絡がなければ捜索を始めることになっている。国は正しい飛行計画が提出されれば、午前11時24分には捜索活動を始められたとしている。

 同社の聞き取りに対し、運航管理者は「混乱していた。機体が戻ってくることを信じて通知した」などと話しているという。

◎計画順守の徹底を要請 国交省
 国土交通省は16日、航空機の運航者団体や総務省消防庁、警察庁などに対し、飛行計画の順守などの周知徹底を求める通知を出した。

 航空機の動静の把握に努めるとともに、捜索救難を必要とする状態を知った場合は直ちに同省航空局の運航監視機関などに連絡することの周知も要請した。

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