1200年前の震災を教訓に 前橋でシンポ 「安全神話」へ警鐘

 大地震について学び、今後の防災対策を考える「防災・減災シンポジウム」(群馬県、県建設技術センター、上毛新聞社主催)が17日、前橋市の県公社総合ビルで開かれた。1200年前の818(弘仁9)年に群馬県など関東全域に大きな被害をもたらした弘仁地震を切り口に、考古学や防災の専門家らが意見交換。群馬県の「安全神話」に警鐘を鳴らし、来場者300人が備えの大切さを学んだ。

 基調講演で、技研コンサル文化財研究所の能登健顧問が県内で発掘された弘仁地震の痕跡を紹介し、群馬県は災害が少ないという「安全神話」にくぎを刺した。関東学院大防災・減災・復興学研究所の若松加寿江研究員も「大地震と無縁な地域と考えているのは、震災前の熊本県と同じ」とし、備えの在り方を語った。

 シンポジウムにはパネリスト5人が登壇。上毛新聞社の阿部和也編集局長が進行役を務めた。

 太田断層の発見者で、熊本地震の活断層を調査した広島大の熊原康博准教授は「県内にも危険な活断層がある。自分の足元にあることを認識して」と訴えた。火山灰考古学研究所の早田勉所長は「70年前のカスリーン台風ですら忘れかけられている。めったに大規模な自然災害がない群馬では昔の災害のことが伝わりにくい」と分析した。

 前橋赤十字病院の中村光伸高度救命救急センター長は、熊本地震の教訓から「災害拠点病院の耐震性をさらに高めなければならない」と指摘した。県県土整備部の中島聡部長は災害に強い道路づくりなど県の取り組みを説明。シンガー・ソングライターで福島県浪江町から太田市に避難している牛来美佳さんは「いつどこで何が起こるか分からない。周囲とコミュニケーションを取って」と話した。

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