《ぐるっと点検ぐんま》栄養豊富な納豆 前橋市は支出額全国3位
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 栄養豊富で手軽に食べられる納豆は群馬県内世帯の食卓に登場する回数が多い。総務省の家計調査によると、前橋市の納豆の1世帯当たり年間支出金額(2015~17年平均)は5529円で、全国52の都道府県庁所在地と政令指定市の中で3位。ここ10年ほど、おおむねトップ5を堅持している。県内の納豆製造販売業者は素材と品質にこだわった商品開発に取り組み、消費拡大に努めている。

■水戸より上位
 納豆支出の上位には「納豆のまち」として全国的に知られる水戸(4位)をはじめ、東北や北関東の都市が並ぶ。一方で、下位は西日本が占める。全国納豆協同組合連合会(東京都)は「納豆は江戸時代、陸路が未発達の東日本で、越冬のためのタンパク源として食されていた。その名残で、東北や北関東で定着し、愛されているのではないか」とみる。西日本はふなずしや干物など、海産物を保存食としていたとされ、納豆へのなじみが薄いようだ。

 「粕川なっとう」のブランド名で、納豆を製造販売する上州農産(同市粕川町西田面、松村省児社長)は、県内最大の生産地である粕川産の大豆と赤城南麓の水にこだわり、外国産大豆は一切使わない。2012年の創業から6年、地元産の味の濃い豆を生かした納豆づくりが好評で、現在は県内外のスーパーや直売所約90店で販売している。

■ブランド認定
 名称がユニークな看板商品「なっからうんめぇ!粕川なっとう」シリーズは、同市の「赤城の恵ブランド」に認定された。水で戻せる乾燥納豆も開発、海外に住む日本人や、フランスで人気という。
 農家の高齢化などで、粕川でも大豆畑が縮小しつつある中、自社でも5ヘクタールの畑で大豆を栽培する。松村徳崇のりたか専務(35)は「地元農家と協力しながら、赤城南麓を大豆栽培で有名にし、ここから大豆食品を発信したい」と力を込める。

 前橋市の納豆支出が高いことを受け、風味の良さや糸の引き具合などで日本一を決める「全国納豆鑑評会」が2月、渋川市内で開かれた。27都道府県の79社205点の中から、「小粒・極小粒部門」で納豆製造販売業のまるだい(前橋市富士見町小暮、柳沢敬一社長)の「おいしい小粒納豆北海道産」が特別賞に輝いた。

 国産大豆と赤城南麓の水にこだわる老舗は1919年に創業し、間もなく1世紀。柳沢和世副社長は「次は納豆好きに愛される大粒で受賞したい」と力を込める。

◎群馬県内にメーカーは4社 地域色前面に

 全国納豆協同組合連合会に加盟する納豆メーカーの数を都道府県別に見ると、茨城が最多の19社で、北海道、新潟、埼玉、東京などが続く。県内は上州農産(前橋市)、まるだい(同)のほか、加豆フーズ(みどり市)、下仁田納豆(下仁田町)の4社。大手に対抗し、地元産ならではのおいしさを知ってもらおうと、地域色を前面に打ち出して奮闘している。

 健康志向の高まりを背景に、納豆の支出は伸びている。カレーやパスタ、オムレツなどに納豆を使ったメニューも広がっているという。(丸岡美貴)

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