《平成考》携帯電話 1人1台 スマホ主流
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最新のスマートフォンやタブレット端末が並ぶ販売店。平成初期にはなかった光景だ=前橋市国領町のauショップ前橋
 

 平成に入り、最も普及したものの一つが携帯電話だろう。総務省の統計では2017年度末の県内契約件数は約199万3千台と、ほぼ1人1台が保有する状況だ。インターネットを活用する多機能のスマートフォン(スマホ)が主流となり、コミュニケーションの在り方をはじめ、生活スタイルや産業、社会、教育などあらゆる分野に変革をもたらし続けている。

 「スマホなしの生活はもう考えられない。音楽もゲームも道案内も、みんなスマホ頼みだもの」。前橋市の小山敦子さん(60)は30年以上前から携帯電話を保有する。最初に使ったのは辞書のように厚くて重い電話。機能は通話のみでレンタル料を含めた通信費は毎月8万円も支払っていた。「新しモノ好きだから。携帯が今みたいに進化するとは思いも及ばなかった」と懐かしそうに振り返る。

◎生活スタイルを変革


 1980年代に肩掛けタイプのポータブル電話機が登場した。その後に通信事業者が相次いで誕生し、小型化や高機能化を競った。90年代になると、着信音を選べる「着メロ」やメール機能などが一般化し、ビジネスパーソンだけでなく若者を中心に爆発的に契約数が増えた。それまで若者の人気を集めたポケットベルからの切り替えが多かったとされる。

 2000年代は、世界の動きと異なる日本独自の携帯サービスが進化したことから「ガラパゴス携帯(ガラケー)」とも言われるようになった。08年の「iPhone」の国内発売を機にスマホ時代が到来。さまざまなサービスを提供するアプリが開発され、動画や音楽、ゲームといった娯楽から、電子マネーなどの金融取引、買い物、健康管理など幅広い分野での活用が広がる。

 中でも会員制交流サイト(SNS)は情報発信の在り方を大きく変えた。無料通信アプリのLINE(ライン)をはじめ、短文投稿サイトのツイッター、フェイスブック(FB)などはコミュニケーションの主流となっている。前橋市の派遣社員、倉上瞳さん(26)のように「通話はできなくても平気だけど、ラインが使えないのは困る」という若者が増えている。

 SNSをビジネスに活用する動きも拡大している。四万温泉協会(中之条町)はツイッターやFB、インスタグラムなどで観光情報を発信。翻訳が容易なFBは外国人誘客も意識した読み物を中心とし、ツイッターでは観光客のつぶやきを取り込んで話題拡散を図るなど戦略的に活用する。近年ではスマホからのアクセスがホームページ閲覧数の6割を占めることから、協会は「スマホ利用者がさらに使いやすい環境を整えたい」と説明する。

 群馬経済研究所は、シニア層などにも普及が進み、スマホ利用者の需要を目指した産業界の動きは今後さらに加速すると指摘。「あらゆる産業がスマホと連携できる可能性がある」としている。(石倉雅人)

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