アレルギー対応の学校給食 取り組みに広がり 11市町村で代替食
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 食物アレルギーの子どもに配慮した、学校給食のきめ細かな取り組みが群馬県内で広がっている。注意して食材を取り除く、弁当を持参するなど、子ども本人が負担を強いられるケースが多いが、原因食品を除いた「代替食」を用意し、栄養面まで気遣う市町村もある。こうした中、混入や誤食といった事故を防ぎ、どのように安全を担保するかが課題になっている。

 給食対応には(1)詳細献立表で情報提供(2)弁当持参(3)原因食品を除いて提供(4)取り除いた食品に代わる食材を補い提供―の4段階がある。県教委の昨年11月の調査によると、高崎、桐生、太田、沼田、安中、上野、高山、片品、川場、昭和、みなかみの11市町村が原因食品に代わる食材を調理した代替食を作っている。

■自校のメリット
 高崎市は現在、全小中学校の8割が校内の調理場で給食を作る「自校方式」を採用し、全校に栄養士を配置する。個別に対応しやすい自校方式のメリットを生かし、卵アレルギーの子には他の食材を調理したメニューでタンパク質を補うなど工夫する。

 共同調理場で作った給食を配送する「センター方式」の沼田市は調理場の一角にアレルギー食専用スペースを確保。料理を透明な袋に入れ、校名と名前を書くことで、取り違いがないよう注意している。渋川市は小麦や乳など7大アレルゲン対応の給食を作る共同調理場を整備する方針で2020年の稼働を目指す。

 一方、伊勢崎市は建設中の調理場にアレルギー専用室を設けることを見送った。担当者は「調理場で注意しても、学校で取り違える恐れがある。命にかかわるので安全を最優先に考えた」と慎重だ。

■「一緒に食事を」
 東京都調布市の小学校で2012年、乳製品アレルギーの女児が給食後に死亡する事故が発生した。これを受け、県教委は翌13年、「学校における食物アレルギー対応マニュアル」を作成。各校は子どものアレルギー情報を収集し、個々に合わせたプランを作成した上で、アナフィラキシーなどの緊急時にも対応できる体制づくりを進める。

 プラン作成の基になるのは、アレルギー症状などを記した「学校生活管理指導表」。保護者が学校に提出するものだが、提出率は小学校で5割ほど。アレルギーに詳しい群馬大大学院の荒川浩一教授(61)は「学校は保護者に提出を促し、子どもたちがみんな一緒に給食を食べられるような態勢づくりに努めてほしい」と話す。

◎食物アレルギー申告者数 5年連続で増加

 県教委によると、2017年度に「食物アレルギーがある」と申告した県内の公立幼稚園や小中学校、高校、特別支援学校の子どもは1万1652人で、全体の5.9%を占めた。調査開始以来、人数、割合ともに5年連続で増加している。

 文部科学省の16年度の「学校給食実施状況調査」によると、アレルギー食に対応しやすいとされる自校方式で給食を実施している公立小中学校の割合は東京都が81.6%で都道府県別で最も高かった。群馬県は26.2%(123校)で33番目。センター方式の割合が最高だったのは鳥取県で97.8%だった。(佐藤秀樹)

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