《プレゼンター》人間映す文学の力を 前橋文学館長・萩原朔美氏   
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 群馬県前橋ゆかりの詩人らの資料を収集、展示する前橋文学館。その館長に就任して2年半、「言葉との出合いの場」を目指してさまざまな仕掛けやイベントに取り組んできた。祖父は口語自由詩を確立し、日本の近代詩史に大きな足跡を残した萩原朔太郎。活字離れが進み、言葉への関心が薄くなっている現代で、人間の姿をリアルに映し出す文学の力を伝えようとしている。

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 今の社会は言葉が軽い。政治家が悪い。「陳謝いたします」もいいけど、記者会見で流れる言葉が実態とものすごく懸け離れていて、その言葉に対して失礼じゃないかと思う。国家や人の成り立ちの根幹は言葉。自分を語るにも、考えるにも言葉が必要。そういう意味で、言葉が軽々しく扱われる時代をせき止める役目が文学にはある。

 *館長に就任した2016年度の入館者は前年度を約8千人上回る3万4千人。17年度は広瀬川の対岸に移築した萩原朔太郎記念館と合わせて4万9千人に達した。本年度は文学館だけで5万人を目標にしている。

 街を歩くと、文学とは関係ない業種の小さな事業所がいくつもある。あそこで働く人がどうやったら足を運んでくれるだろうと考える。朔太郎に関係したものだけでは限界。漫画とのコラボレーションや音楽、演劇、映像作品といろんなことをやってきたけど、もう手の内がない。それなら、日本の話芸はどうか。

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