視覚障害者守る通電装置 群馬パース大大学院・木村教授開発
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木村教授が考案した視覚障害者向けの装置
人の接近を知らせる装置の性能を確かめる学生

 視覚障害者が人と接触したり、駅ホームから転落する事故を防ごうと、群馬パース大大学院(高崎市)の木村朗教授(保健学)が低周波電流を利用し、通行人や危険の接近を知らせる低コストの装置を考案した。29日に前橋市の県社会福祉総合センターで公開実証実験を実施する。安全性などをさらに調べ、年内にも特許出願する方針だ。

◎米国医学会で発表 今月29日も公開実験

 腕に取り付けた装置から断続的に電流が流れ、前方や左右の小型センサーが体温や明るさを感知すると、無線通信で接続したタブレット端末のアプリを経由して電流を止め、警告する仕組み。既存の類似装置は数百万円と高額だが、市場に出回っている機器を活用することで、コストを5万円程度に抑えられるという。

 木村教授らは8月、草津町総合保健福祉センターで、視覚障害者10人を対象に新装置の性能実験を実施。スマートフォンに注視する歩行者役が毎秒1メートルで近づいたところ、9人が衝突前に立ち止まった。こうした結果を踏まえ、実用化が可能と判断。今月3日に米テキサス州で開かれた米国リハビリテーション医学会で、研究成果を発表した。

 視覚障害者の転落事故は全国で相次ぎ、9月には東急大井町線下神明駅(東京都品川区)で70代男性がホームから転落、電車にはねられて死亡した。木村教授は「スマホの普及により、歩きながら操作する人が増え、街中や駅構内での接触事故のリスクは高まっている。将来的に量産化し、不幸な事故を減らしたい」としている。

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