横断歩道 車9割止まらず JAF調査結果 歩行者優先 意識低く
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緊急対策に出発する白バイとパトカー

 横断歩道で止まらない車は9割以上―。歩行者が信号機のない横断歩道を渡ろうとしている状況で一時停止した車の割合が、群馬県内では5.8%にとどまり、94.2%の車が止まらずに通り過ぎていたことが、日本自動車連盟(JAF)の調査で8日までに分かった。全国の一時停止率は8.6%だった。歩行者が死亡した県内の交通事故では、道路横断中の事例が7割を占めるなど、歩行者優先の意識の低さが事故に直結している可能性がある。

◎停止率上位は中部地方に集中 違反は2点減、罰金9000円

 調査は8月15日~9月13日、各都道府県でそれぞれ2カ所ずつ抽出した横断歩道計94カ所で実施した。地域ごとに一時停止率にばらつきがあり、最も低かったのは栃木の0.9%で、広島1%、三重と和歌山の1.4%と続いた。一方、最も高かったのは長野の58.6%で、静岡39.1%、石川26.9%の順だった。

 JAFが昨年行った意識調査では、一時停止しない理由について「自分が停止しても対向車が停止せず、(歩行者が)危ない」「後ろから車が来ておらず、自分が通り過ぎれば歩行者は渡れる」などが多かった。

 歩行者優先の意識の低さが、事故につながっている可能性もある。県警によると、昨年までの5年間に歩行者が死亡した県内の交通事故131件のうち、94件(71%)が歩行者が道路横断中に起きた事故だった。

 道交法は車両は歩行者がいないことが明らかな場合を除いて、横断歩道の直前で停止できる速度で進行しなければならないと定めている。意思表示をして横断している歩行者がいるにもかかわらず、横断歩道内に車両を進行させて通行を妨げた場合は、違反点数2点、反則金9000円(普通車)が科せられる。

 警察庁は全国の警察本部に対し、ドライバーは横断歩道での歩行者優先を徹底し、歩行者は横断歩道を渡るよう啓発や指導の強化を指示した。県警交通企画課は、日没が早まる冬季は車対歩行者の交通事故が増える傾向にあるとし、「歩行者優先の原則を浸透させ、夕刻のパトロールや啓発活動も強化していく」としている。

◎日没後の事故防止向け警戒 県警が出動式

 日没が早まる10月以降に交通死亡事故が急増していることを受け、県警は8日、前橋市の県総合交通センターで緊急対策の出動式を行った。白バイやパトカーなど37台が街頭に繰り出し、事故防止に向けて活動を始めた。

 「命を救う夕暮れ対策」とし、パトカーなどが赤色灯をつけて警戒するほか、高齢者や無理な横断をしようとする歩行者への声掛け、交通ルールの指導を重点的に実施する。

 県警によると10~12月は、1~9月に比べて死亡・重傷事故が発生しやすい傾向にある。今年10月以降の交通事故死者数は、7日時点で前年より7人多い10人。うち4人は、夜間に歩いていて車にはねられた。

 都築誠交通安全対策統括官は「夜間の事故が多発し、極めて深刻な事態になっている。取り組みを強化し、抑止したい」と話した。

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