民営化 営業許可が壁 太田市の子ども食堂 開設は1団体のみ
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 群馬県太田市が本年度始めた「子ども食堂」の民営化が進まない。開設にこぎ着けたのは1団体のみだ。市は昨年度まで児童館などで直営していた15カ所を廃止し、補助金を出して民間に運営を任せる方法に転換した。だが、食品衛生面で保健所の営業許可を取ることがハードルとなり、申請を諦める希望者が続出。意欲を持つ民間からは要件緩和を求める声が上がる。

 市が直営していた食堂では、メニューがカレーだけだったり、調理したものを外から持ち込むため、料理が冷たいことなどが課題になっていた。人数不足で予定通りに開催できないこともあったという。

 市は民間運営によるサービスの向上を期待し、上限年20万円の補助制度に切り替えた。10団体以上が興味を示し、複数回の説明会を開いたが、実際に申請が来たのは1団体のみ。申請を断念した団体からは「食品衛生に関する資格取得が難しい」との声や開設資金の不足が理由に挙がった。

 開設には食品衛生責任者の資格取得のための講習会参加や、食中毒に対応するための保険加入が必要だ。さらに福祉目的であっても、不特定多数の人に継続して食事を提供する場合、太田市なら原則として県太田保健福祉事務所から営業許可を取らなければならない。結局、開催できたのは飲食店の経営実績がある団体のみだった。

 説明会に参加した別の団体代表は「自治体によって基準が違い、戸惑っている。要件を緩和してほしい」と話す。栃木県足利市では、事前予約制にすることなどで営業許可がなくても子ども食堂の運営を認められた実績があるが、太田市では許可を求められたためだ。

 太田市社会支援課は団体に代わって、同保健福祉事務所や会場として使用希望がある市行政センターと協議したり、材料調達で市のフードバンクの援助を受けるよう勧めたりしている。「志の高い方々が開催できるよう手伝い、開催できる地区を増やしたい」としている。

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