放課後デイサービス 国の報酬改定で苦境に 赤字の業者も多く
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放課後等デイサービス「ガネーシャ」で宿題に取り組む子ども

 障害のある子どもが放課後などに通う「放課後等デイサービス」が苦境に立たされている。利益優先の悪質事業者への対策として国が4月に施設に支払う報酬を改定したところ、多くの施設で減収となったためだ。適正に運営してきた群馬県内の施設や障害者支援団体からは戸惑いの声が上がる。施設は2012年度に制度化されて以降、県内でも急増してきたが、転機を迎えている。

 平日の夕方、高崎市和田町の放課後デイ「ガネーシャ」に授業を終えた小中学生や高校生が続々と集まってきた。10人前後が宿題をしたり、ミシンやボルダリングなど興味のあることに取り組んだりしている。

 月に数回、英語やタブレット端末を使った学習の時間もある。児童発達支援管理責任者の新井ひかりさん(34)は「体験を通して成長してほしい」と話し、子どもたちを見守る。

 ガネーシャは4月以降、国からの報酬が1割程度減った。「減額は月20万円ほど。もともと非営利法人だが、適正な運営費を捻出するのが難しくなっている」と、運営するNPO法人ライブリーの福山芳彦理事(60)は打ち明ける。

 県内の放課後デイ約40団体が所属する任意団体によると、障害のある子どもの放課後保障全国連絡会が4~5月に実施したアンケートで、県内の大半の施設が経営状況について「赤字」と回答。報酬の減額幅は多くが年300万~350万円とした。

 今回の報酬改定は、障害の軽い子どもばかりを集めて十分な支援を提供しない一部の悪質事業者対策の狙いがあった。ところが障害の重さに応じて報酬額を二つに区分したところ、低い区分に分類される施設が相次いだ。国は障害判定が不適切だったケースがあるとみて、施設に聞き取りするなどして9月末までに再判定するよう各自治体に通知した。

 任意団体の担当者は「再判定で高い区分になった施設は増えたようだが、市町村によっては施設への聞き取りがないなど対応に格差がある」と指摘。このままでは施設の存続が危ぶまれたり、不正が懸念されたりすると心配する。

 12年4月時点で48カ所だった県内の施設は、5年間で140カ所に急増。今年4月には208カ所となり、その分利用者も増えてきた。県自閉症協会の甘田恵子事務局長(59)は「経営難を理由にやめられてしまうのが一番困る。無責任に子どもたちが放り出されることがないようにしてほしい」と訴えた。

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