「安全」重視? 「見た目」重視? 自転車通学のヘルメット
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ヘルメット着用のモニター事業に参加している生徒=高崎経済大附属高

 前橋市の県道で今年1月、自転車で通学中の女子高校生2人が乗用車にはねられて死傷した事故を受け、群馬県が県内高校から選定したモデル校で、生徒がヘルメットを着用して自転車通学するモニター事業が始まった。ただ、モデル校で着用している生徒は数える程度。死傷事故を理由にかぶる生徒がいる一方、「目立って恥ずかしい」とためらう声も聞こえる。「安全」と「見た目」、どちらを取るか―。生徒の間でさまざまな考えが入り交じる。

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 21日午前8時半ごろ、高崎経済大附属高の正門に、自転車通学の生徒が次々と入ってくる。登校する生徒の中で、黒色のヘルメットがひときわ目を引いた。

■他校生の目
 「前橋の事故のことも聞いているので、かぶろうと思った」。高崎市内の自宅から30分ほどかけて通学する男子生徒(2年)は、事業開始と同時にヘルメットの着用を始めた。髪形が崩れるのは気にならないかと聞くと、「坊主だから髪形の心配もない」。親からも似合っていると言われるが、他校の生徒の目は気になるという。

 見た目を理由に着用をためらう生徒は少なくない。約50分かけて通学する女子生徒(2年)は一度もかぶったことがなく、「周りがかぶっていないので目立って恥ずかしい」と明かす。自転車が一般的な形のため「スポーツタイプの自転車でないとヘルメットは似合わない」と違和感もある。

■抵抗感少なく
 モデル校となった同校のモニター事業には1、2年の64人が参加。全員にヘルメットが配られたものの、着用の義務はない。女子生徒は「校則で決めたりして、みんながかぶれば抵抗感も少なくなる」と話す。着用を広げるためには、いかに抵抗感をなくせるかが鍵を握りそうだ。

 県交通政策課の担当者は「ヘルメット着用の生徒が少ない状況は想定内」と説明する。着用しない生徒の意見を反映させるため、義務化していないという。同校では2学期まで事業を続け、終了後にアンケートを取る。着用しなかった生徒の意見を重点的に吸い上げ、県教育委員会などと協議する予定としている。

 同校は生徒や保護者らの交通安全意識を高めてもらおうと、事業への参加を決めた。関口俊邦教頭は「生徒もヘルメットの安全性は理解していると思う。安全について考えるきっかけとなればいい」と期待する。

 群馬県警によると、県内の自転車事故で高校生が関わった割合は、昨年まで3年続けて全国で最も高かった。今年10月末時点で1869件のうち628件に上り、割合は33.6%(速報値)となっている。県警交通企画課は「件数も多い高校生の自転車事故を減らすため、引き続き街頭指導や交通安全教育を継続していきたい」としている。(報道部 高木大喜)

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