六価クロム 太田の住宅街に流出 基準139倍「水に触れないで」
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バキューム車で水を吸引する作業員=4日午後4時40分ごろ、太田市新島町の七ケ村堀

 群馬県太田市は4日、同市新島町の中村鍍金めっき工業所から有害な六価クロムを含む排水が、住宅街の用水路へ流出したと発表した。排水から国の基準(1リットル当たり0.5ミリグラム)の139倍となる同69.5ミリグラムの六価クロムを検出した。市は同日、排水が流れた1.4キロ区間の水を全て取り除くなど対策を開始する一方、用水路の水に触れないよう呼び掛けている。

◎抜き打ちで判明 「拡散の恐れは小さいと考えた」

 市によると、六価クロムは肌に付くと皮膚炎や腫瘍の原因になり、今回の濃度の水に触れ続けると皮膚がただれたりする可能性がある。命に関わる事態は想定されにくいとし、これまでに被害の報告はないという。

 排水は同社工場脇の側溝から農業用水「七ケ村堀」に入り、市街地の住宅の間を南へ流れたが、九合小そばのせきは水門が閉まっており、それ以上の拡散はないという。区間内の洗浄や水の回収・中和作業の完了見通しは立っていない。

 市は11月30日の抜き打ち調査で排水を採取した。同日中には、水路へ流れ出た排水が少なくとも基準を上回る六価クロムを含んでいる事実を把握していたが、公表や注意喚起はしなかった。4日午後になって周辺の学校と区長に連絡し、市の安全・安心メールで「重大な健康被害が発生する恐れがある。水路に近づかないで」と配信した。

 市環境政策課は「30日時点で詳細が分からず、流出先の水路はふたやフェンスもあり、拡散の恐れは小さいと考えた。すぐに周知すべきだった」としている。

 同社が六価クロムを含む廃液80リットルを処理設備に通して30日昼に捨てたと説明しており、市は処理能力を超える濃度の溶液を流したことが原因とみている。

 同社は上毛新聞の取材に、「お騒がせして申し訳ない。今後はよく管理する」としている。

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