「彼の分も頑張る」スキー仲間が国体に決意 ヘリ墜落犠牲の岡さん思う
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岡さんへの思いを語る関さん

 搭乗員9人全員が亡くなった群馬県防災ヘリコプター「はるな」の墜落事故から10日で4カ月。犠牲になった1人、吾妻広域消防本部の岡朗大さん=当時(38)=は国体の出場経験を持つスキー選手でもあった。スキーシーズンを迎え、共に国体に出場した仲間は薄れることのない悲しみを抱えつつ、今季も国体への挑戦を決めた。「岡の分まで頑張ろう」。県予選まで1カ月。思いを力にして滑るつもりだ。

 「(亡くなった)実感はない。でも、もう会えないという実感はある」。草津町職員の関亘さん(50)はうつむきながら話した。

 小学生だった岡さんを、地元の「草津スキー倶楽部(クラブ)」で指導した。共に競技を続け、岡さんが消防士として地元に帰ってきたのを機に親交を深めた。互いに仕事の合間を縫って、週末や休日に一緒に練習してきた。年齢は離れていても後輩ではなく「仲間」。同じ競技で何度も国体に出場して成績を残し、地元をスキーで盛り上げてきた。

 今年2月に新潟県で開かれた国体にも2人そろって出場した。関さんは体力の衰えから、次の国体には出ないつもりだった。
 国体から半年もたたないうちに起きた墜落事故。失意の中、岡さんの言葉が浮かんだ。「また一緒に来年も頑張りましょう」。悔しそうに話していた岡さんの様子を思い出し、再び国体出場を目指すことを決めた。

 毎年目にしていた県予選のエントリー選手一覧に「岡朗大」の名前はない。寂しさは消えない。けれど「岡の分までという気持ちはスキー仲間みんなが思っている。その気持ちを胸に、頑張ればいい」。そう言って前を向いた。

◎「無念でならない」消防関係者も献花 合同追悼式

 9日に行われた県防災ヘリコプター「はるな」の墜落事故で死亡した消防職員7人の合同追悼式には、多くの消防関係者も参列した。
 日頃から吾妻広域消防本部の隊員らと訓練を共にする嬬恋村消防団の熊川美朗副団長は「亡くなった隊員は地域の安全のため一緒に活動していた仲間。志半ばで亡くなり、本当に無念でならない」と悲しんだ。

 県消防学校で小沢訓さん=当時(44)=と黒岩博さん=同(42)=から指導を受けたという高崎市等広域消防局の20代の隊員は「2人とも訓練中は厳しかったが、普段は温かく優しい人だった」としのんだ。その上で「2度と悲惨な事故を起こさないための教訓にしなければならない」と話し、献花台に花を手向けていた。

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