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三山春秋

2017/07/07【三山春秋】 「勉強が好き」という子どもは、どれくらいいるだろうか。おそらく…

 
 ▼「勉強が好き」という子どもは、どれくらいいるだろうか。おそらく、昔も今もそれほど多くはあるまい。何かと言い訳を見つけては、勉強から逃れようとするものだ

 ▼ところが、年を重ねて学習意欲が湧いたという声はよく耳にする。「強制」から解放されて興味のあることだけを学べるからなのか、不思議である

 ▼太田市で先月開講した大人のための学校「おおた金山(きんざん)中学校」には定員60人を上回る75人の応募があり、熱意をくんで全員の入学が認められた。平均年齢70.57歳、最高齢は82歳というから恐れ入る

 ▼高齢者の生きがいづくりを目的に昨年度から始まった。科目は国語と社会のみだが、教材には実際に中学校で使われている教科書を使用する。期末試験や修学旅行、校外学習なども用意し、学校生活をリアルに再現している

 ▼入学式で目の当たりにしたのは生徒たちの輝いた目。教室を満たす熱気が印象的だった。担任から「宿題を用意しています」を告げられると、一斉に「えー」とどよめくあたり、学校の教室そのものである

 ▼この光景を見てサムエル・ウルマンの詩「青春」を思い出した。〈青春とは人生のある期間ではなく、心の持ちかたを言う〉(作山宗久訳)。理想や信念、希望がある限り、人は老いるものではない-。そのお手本を、金山中学校の生徒は示してくれている。

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