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三山春秋

2017/05/14【三山春秋】 板倉町の今年の「揚舟 谷田川めぐり」が群馬の水郷公園で始まった。すげがさ姿の船頭が…

 
 ▼板倉町の今年の「揚舟あげぶね 谷田川めぐり」が群馬の水郷公園で始まった。すげがさ姿の船頭が、竹ざお一本で木舟を操り水上を移動する。和風情緒たっぷりの光景が人気を集め、県内外の行楽客でにぎわう

 ▼2001年の国民文化祭で実施した「揚舟体験」を機に、翌年から町が事業化した。毎年春(5、6月)と秋(9、10月)の土日、祝日に実施している

 ▼利根川と渡良瀬川に挟まれた同町は水害と闘ってきた歴史がある。かつて揚舟は多くの農家の軒下に保管され、水害時の移動手段として被災者を運び、助けた。谷田川めぐりは、地域の歴史を伝える役割も担っている

 ▼ところが近年、船頭の担い手が減り、運航は綱渡りが続いている。特に今年は昨年から2人減の5人体制となり、平均年齢は70歳台と高齢化も深刻だ。14年前から船頭を担う岡部康雄さん(80)は「揚舟の歴史を多くの人に伝えたいが、いつまで続けられるか分からない」と不安を隠さない

 ▼町は3年前から広報で募集するなど、解決の糸口を模索しているが、応募はほとんどないため先行きは見えない

 ▼今年はカスリーン台風の襲来から70年。2年前に茨城県常総市で発生した水害と同様な自然災害が、いつ県内で起きてもおかしくない。楽しい舟旅のひとときも、先人が命懸けで残した歴史が詰まっていることを心に刻みたい。

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