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三山春秋

2017/07/04【三山春秋】 囲碁に「大場より急場」という格言がある。広大な陣地形成に…

 
 ▼囲碁に「大場より急場」という格言がある。広大な陣地形成につながる好手(大場)をあえて見送ってでも苦境の石を助ける我慢の手(急場)を選べ、と教える。傲慢(ごうまん)さを戒める名言は冷静な局面判断が前提だ

 ▼こちらの情勢判断は的確だったのだろうか。自民党が歴史的惨敗を喫した2日投開票の東京都議選である

 ▼高崎市出身の下村博文衆院議員は厳しい結果に「大惨敗の責任を取る」と党都連会長の引責辞任を表明した。同党2回生議員(離党)の秘書への暴言、自衛隊を巡る稲田朋美防衛相の失言、下村氏自身への献金疑惑報道が続発したのが響いた

 ▼そもそも逆風の中の選挙だった。森友学園問題や加計(かけ)学園問題といった疑念に対する政府の説明不足に加え、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法の採決強行。国民の反発は政権支持率急落という形で顕在化していた

 ▼異論の強い政策や改憲の実現という大場に突き進む安倍政権に対し、民意は、後手に回ってでも丁寧に国民と向き合うよう急場への手入れを求めた格好だ

 ▼安倍晋三首相は今後、外交や内閣改造などで支持率浮揚を狙うだろう。しかし、国民が求めるのは加計学園問題など疑念に対する丁寧な説明と謙虚な政治姿勢だ。小手先の「急場しのぎ」だけなら不満の火種はくすぶり続ける。

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