文字サイズを変更する
小
中
大
 

三山春秋

2017/07/06【三山春秋】 高崎市内の自宅から自転車で外出しようとした時だった…

 
 ▼高崎市内の自宅から自転車で外出しようとした時だった。ゴムのねじれる音とともに、腰掛けを通して尻に硬い感触を覚えた。前輪の空気がすっかり抜け、パンクしていた

 ▼故障車を押してしばらく歩き、市役所近くまでたどりついた。創業から100年以上がたつ自転車店の3代目店主、五十嵐信弘さん(70)がパンクの箇所を手際良く見つけて修理してくれた

 ▼朝から夜まで年中無休で店を開いている五十嵐さん。自転車で登下校する高校生らを長年にわたり温かく見守ってきた。登校中に故障した場合に備えて代車も用意する気の配りようだ

 ▼人口の減少と安価な自転車を扱う量販店の増加を要因に、地域の「自転車屋さん」が減っている。県自転車協同組合によると、現在の組合員数は245人。戦後ピーク時の1割程度で店主の高齢化も深刻という

 ▼高崎市在住の漫画家、井田ヒロトさん原作「お前はまだグンマを知らない」の劇場版が15日から、全国公開に先駆けて県内4館で上映される。3月のテレビドラマに続き、まるで台風のような空っ風の中、自転車通学で悪戦苦闘する主人公の様子も楽しみな演出の一つだ

 ▼風に向かってペダルをこぐ“グンマの青春”。地域の自転車屋さんが支えてくれている。小さな店舗が生き残って、いつまでも元気に活躍してほしいと願わずにはいられない。

  • 上毛新聞を購読する
  • 上毛新聞に広告を載せる
URLを携帯へ転送 右のQRコードから上毛新聞モバイルサイト「じょうもばいる」にアクセスできます