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徳冨蘆花 伊香保で客死 1927(昭和2)年9月20日

七月以來伊香保温泉仁川亭で愛子夫人の看護を受け專心療養中であつた蘆花徳富健次郎翁六〇は十八日午後十時五十分遂に死去した翁は前夜愛子夫人に命じて大森山王の實兄徳富蘇峰氏に(略)急電を發した

小説『不如帰』で知られる文豪、徳冨蘆花(本名・健次郎)は伊香保を度々訪れ、終焉しゅうえんの地となった。死の直前、長く絶縁状態となっていた実兄で國民新聞主宰の蘇峰と再会。記事には「私が悪かつた今日日本一の兄を持つてゐる私はすぐ死んでも安心です」と語ったとある。息を引き取った部屋は石段街近くの徳冨蘆花記念文学館内に復元されている。