ビックカメラが2年ぶりV 女子ソフト・上州対決制す
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優勝を決めマウンドに駆け寄るビックカメラ高崎の選手=ナゴヤドーム
決勝 ビックカメラ高崎―太陽誘電 誘電を4安打に抑えて完封したビックの上野=ナゴヤドーム
決勝 ビックカメラ高崎―太陽誘電 6回のピンチでマウンドに集まった誘電ナイン=ナゴヤドーム

 【愛知=綱島徹、浦野葉奈】日本女子ソフトボールリーグ1部のリーグ戦上位4チームで年間最終順位を決める決勝トーナメント最終日は5日、名古屋市のナゴヤドームで行われた。22年ぶりの上州対決となった決勝はビックカメラ高崎(リーグ1位)が太陽誘電(同3位)を3―0で下し、前身のルネサスエレクトロニクス高崎時代を含め2年ぶり11度目の優勝を飾った。

◎太陽誘電は3位決定戦勝ち進む
 ビックはエース、上野由岐子が4安打9奪三振で完封勝利を挙げた。打っては初回に山本優の右前打で先制。四回は内藤実穂の中越え本塁打、六回は我妻悠香の適時打でそれぞれ1点を加えて突き放した。

 誘電は初回に無死一、二塁としたが、好機を生かせず。3位決定戦から連投となった先発藤田倭を援護できなかった。

 大会は敗者復活を含むページシステムで行われ、誘電はトヨタ自動車(同2位)との3位決定戦を2―1で制し、決勝に進んだ。

◎上野が盤石 4安打完封
 緊迫の上州対決がナゴヤドームを沸かせた。5日行われた女子ソフトボールの日本一を決める決勝トーナメントの最終日。ビックカメラ高崎はリーグ戦21勝1敗という圧倒的な成績通りの力で決勝を制し、駆け付けたファンらと2年ぶり優勝の喜びを分かち合った。太陽誘電は3位決定戦でリーグ2位のトヨタ自動車を下し、24年ぶりの悲願に近づいたが一歩及ばなかった。

  ▽決勝

 ビックカメラ高崎(リーグ1位)
  100 101 0―3
  000 000 0―0
 太陽誘電(リーグ3位)
 【ビ】上野―我妻
 【太】藤田―佐藤
 ▽本塁打 内藤(ビ)
 ▽二塁打 森(ビ)


 投打のかみ合ったビックカメラ高崎が太陽誘電に快勝した。先発上野由岐子は最終七回の3者連続を含む9三振を奪い、誘電打線を寄せ付けなかった。打線は初回、山本優の右前打で先制。四回と六回に追加点を挙げ、差を広げた。

 誘電は打線が4安打に抑え込まれた。先発藤田倭は粘りの投球を続けたが援護に恵まれず、3点失った。

◎ベテランと若手が融合…ビックカメラ
 110、111…。優勝へのカウントダウンのように、1球ごとにスピードが増した。エース上野由岐子が最後の打者を空振り三振に仕留めると、ナインがマウンドに集まり、2年ぶりに頂点に返り咲いた喜びを爆発させた。

 理想的な先制攻撃だった。1番森さやかが「試合の流れを決める場面」と二塁打で出塁すると、リーグ1位の11犠打を記録した2番市口侑果が送り、きっちりお膳立て。日本代表でも主砲の山本優が右前適時打で、スタンドを赤く染めた応援団の期待に応えた。

 リードをもらった右腕に死角はない。立ち上がりこそ連打を許したが、ベテランらしく修正。「イニングを重ねる度に直球が伸びていく感覚があった」。変化球も効果的に織り交ぜて誘電打線を翻弄ほんろうし、最後は3者連続三振で締めた。

 新たな船出の年だった。岩渕有美氏が新監督に、主将には22歳の我妻悠香が就任。若手や中堅の一人一人にチームを支える自覚が生まれた。この日も先制点はベテラン2人のヒットで取ったが、四回には我妻と同じ5年目の内藤実穂副主将が貴重な中越え本塁打。同じく5年目の糟谷舞乃はリーグ打点王に輝いた。

 この日のヒロインを尋ねると「全員です。全員ソフトボールができました」と岩渕監督。山本も「いつもは上野さんに頼りっきりだが、今日は野手も仕事ができた」と胸を張った。トーナメントの最高殊勲選手は確かに上野が受賞したが、上野頼りのチームとは言わせない。

◎太陽誘電は2年連続 準優勝…明暗分けた初回の攻防
 またしても届かなかった。太陽誘電ナインの首に掛けられたのは、今年も銀メダルだった。

 初回の攻防が明暗を分けた。先制機を確実に生かしたビックカメラ高崎に対し、誘電は無死一、二塁としながら犠打を失敗し、主軸も凡退。傾いた主導権を引き戻すことはできず、1番原田のどかは「流れを変える一打を打てるようにしたい」と唇をかんだ。

 しかし昨年の決勝で敗れたトヨタ自動車には3位決定戦で雪辱し、悔しさの中にも充実感をのぞかせた。悔しさを晴らすための1年だった。昨年2安打完封負けを喫したトヨタのエース、モニカ・アボットから先制ソロを放ち、佐藤みなみ主将は「どうやったら勝てるか考えるようになった」と振り返った。熱くなりがちだった二刀流、藤田倭も1年通じて試合をつくれる投手に成長した。

 「トヨタに勝てたのは自信になる。この後、準優勝で良かったと思えるように取り組んでいきたい」と、ベテラン河野美里。藤田も「来年優勝するために何が必要か考えていきたい」と表情を引き締めた。再び敗戦を糧にする戦いが始まった。(浦野葉奈)

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