「環境に誇りを」群馬にエール 日本サッカー協会・田嶋幸三会長
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群馬県サッカーについて語る田嶋会長
全国高校選手権優勝の前橋育英高に優勝旗と表彰状を贈る田嶋会長(左)。「環境に誇りを持って」と群馬県サッカー界にエールを送る=2018年1月、埼玉スタジアム(代表撮影)

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長(61)が、前橋市内で上毛新聞の取材に応じた。J3ザスパクサツ群馬を評価し、日本代表の2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会予選を展望。群馬県の整った競技環境や指導陣に触れ、「環境に誇りを持って」とエールを送った。(聞き手・落合琢磨)

―会長就任後、育成に手腕を発揮している。群馬県サッカーの印象は。
 前橋育英高や前橋商高に加え、最近では桐生第一高などからも良い選手がどんどん出ている。何といっても、前橋育英高の全国制覇はすごいことだ。大きな大会を開催できるサッカー場が豊富にあり、優秀な指導者にも恵まれている。群馬のサッカー関係者は環境に誇りを持ってほしい。中町公祐(高崎高出身)はアフリカのザンビアでプレーしているし、人材も豊かだ。

―カタールW杯のアジア2次予選が来月始まる。FW鈴木武蔵(札幌)の招集、活躍はありそうか。
 F組の日本が対戦するのはミャンマー、モンゴル、タジキスタン、キルギス。簡単なグループではない。予選はどんでん返しがいくらでも起こる。気を抜かずに勝ち進むことが大切だ。FWは大迫勇也(ブレーメン)上田綺世(鹿島)らがいるが、全体として層が薄く、今がチャンス。ぜひ食い込んでもらいたい。

―久保建英(レアル・マドリード)ら若い世代が海外で活躍している。
 日本サッカーが常に世界を意識し、レベルアップしてきた結果だ。「国内だけで勝てば良い」という意識を持ちたくない。多くの先輩がつないできた育成が実ってきた証拠。日本は育成のベースがしっかりしている分、意識を世界に向ければ結果は出せる。

―ザスパクサツ群馬が所属するJ3の位置付けは。
 単純にJ1、J2への通過点にしてはいけない。下部にはいるが、地域密着でクラブの魅力を伝え、昇格していくことが大事。強くなることで、県民にも存在をより分かってもらえると思う。

―ザスパの布啓一郎監督は、自身が務めたJFAアカデミー福島スクールマスターの後任だった。
 布監督は市船橋高(千葉)で成功を収め、日本協会を経てJリーグへ移った。彼のような指導者がJリーグで活躍し、成功することが一つのモデルケースになる。試合によって柔軟に戦術を変え、選手をやる気にさせる引き出しをたくさん持っている指導者だ。

―ザスパが今後さらに発展するには。
 運営会社の奈良知彦社長をはじめとしたフロント、布監督も非常に頑張っている。ぜひ皆さんに応援してほしい。チームの強さと集客はつながっている。とにかく勝つことが大事だ。専用のスタジアムや練習場も大切だが、そのためにはとにかく勝って結果を出すしかない。

―J1では今季、誤審が大きな問題となったが、J3でも微妙な判定が相次いでいる。
 審判も全てのプレーが見えるわけではない。その誤差をなくしていこうと、J1でビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の導入を議論している。問題の起きた試合の審判だけを責められない。Jリーグの考え方もあると思うが、審判をサポートしていく方法を増やしていかなければと思う。日本協会としては、審判のレベルを上げていくことが必要だ。

【略歴】たしま・こうぞう
 1957年11月、熊本県生まれ。80年に日本リーグの古河電工(現J2千葉)入りし、日本代表でも活躍。引退後は世代別の代表監督や技術委員長を歴任した。国際サッカー連盟(FIFA)理事、日本オリンピック委員会(JOC)常務理事も務める。2016年3月から現職。

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