唐沢剣也が群馬県勢初の東京パラ内定 陸上男子5000メートル
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男子5000メートル(視覚障害)決勝 力走する唐沢剣也(右)=ドバイ(共同)

 パラ陸上の世界選手権第8日は14日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで行われ、男子5000メートル(視覚障害T11)で初出場の唐沢剣也(県社会福祉事業団、県立盲学校出身)が15分48秒21で銅メダルを獲得し、東京パラリンピック代表に内定した。25歳の唐沢は初代表。東京五輪を含め、群馬県関係では代表選出第1号となる。

 群馬県在住選手が夏季パラリンピック代表となるのはロンドン大会以来、2大会ぶり。渋川市出身の唐沢は茂木洋晃(農大二高出身)と星野和昭(元上武大駅伝部コーチ)を伴走者に付け、終盤に追い上げて表彰台をつかんだ。

 唐沢は2018年に行われたアジアパラ大会の同種目で優勝、男子1500メートル(視覚障害T11)でも3位の成長株。今大会で日本選手は各種目4位以内に入ると代表に内定する。

◎接触繰り返す激戦 2人の伴走に感謝
 「2020東京」へ県勢一番乗り―。14日にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで行われたパラ陸上の世界選手権男子5000メートル(視覚障害T11)で、群馬県の唐沢剣也(県社会福祉事業団)が15分48秒21で銅メダルを獲得し、東京パラリンピック代表に内定した。東京五輪も含めて群馬県選手の代表内定は初めて。懸命な練習と周囲の支援が大舞台で花開いた。

 ラスト2周から他選手と接触を繰り返すつばぜり合いを演じ、男子5000メートル(視覚障害T11)の唐沢が銅メダルをつかんだ。「2人の協力で走れた。自信になった。パラリンピックの内定をもらえて本当にうれしい」。力を引き出してくれた伴走者に感謝を込め、喜びをかみしめた。

 1500メートルでは7日の予選を突破、8日の決勝でも好走したが6位に終わり、代表を逃した。悔しさを胸に臨んだ5000メートルで雪辱。「暑い中のレースでしっかりと走れた。力を出し切れた」と満足そうに語った。

 アイマスクを着けて走る視覚障害クラスは、5000メートル以上の種目で伴走者を2人認められる。2800メートルまでは農大二高出身で今年のぐんまマラソン10キロの部で2位となったスピードランナー茂木洋晃、残り2200メートルは上武大駅伝部の元コーチで終盤の駆け引きにたけたベテランの星野和昭が務めた。「前半は順位を意識せず、伴奏者が代わった後半から切り替えていこうと考えた」といい、作戦がぴたりとはまった。

 唐沢は小学4年で視力を失い、現在は県立点字図書館にフルタイムで勤務する。早朝、勤務後と毎日の練習を支える茂木、星野ら約10人のチームでつかんだ初のパラリンピック。「いい環境で練習できている。もっと力をつけたい」と意欲をみなぎらせた。

◎東京パラ代表内定に友人、恩師も歓喜
 2020年東京パラリンピックの陸上男子5000メートル(視覚障害T11)代表に唐沢剣也(25)=県社会福祉事業団=が内定した14日、母校の恩師や友人らが喜びの声を上げた。

 母校の県立盲学校小学部5年時に担任だった中学部教諭の畑中敦子さん(56)は教え子の活躍に「本当にうれしい」と手放しで喜んだ。

 畑中さんによると、当時から運動が得意で足が速かった。「他校の小学生に負けてほしくない」と、休み時間に他のクラスメートとともに10分間走を勧めたところ、唐沢は熱心に取り組んでいたという。

 小学部の同級生で、東京パラリンピック柔道出場を目指している永井崇匡さん(24)=学習院大職員=は、よく休み時間に遊んだといい、「お互い切磋琢磨せっさたくまし合った仲。自分も頑張らなければ」と気を引き締めた。

 唐沢が勤務する県立点字図書館では、吉報を聞いた職員が歓声を上げた。亀井伸明館長(60)は「いつも誠実に仕事に取り組んでくれている。おめでとうと声をかけたい」と声を弾ませた。

 出身地、渋川市の高木勉市長は「東京パラリンピック出場内定は郷土の誇り。市民に大きな希望を与えてくれ、共生社会実現の弾みになる」とコメントした。

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