全国高校サッカー県大会 前橋育英が6連覇
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前橋育英―健大高崎 後半25分、育英のMF熊倉達(15)が決勝ゴールを決める=正田醤油スタジアム群馬
前橋育英―健大高崎 後半、追加点を狙って攻め立てる育英のDF相原(右から2人目)=正田醤油スタジアム群馬

 高校サッカーの第98回全国選手権県大会は24日、前橋市の正田醤油スタジアム群馬で決勝が行われ、前橋育英が1―0で健大高崎を破り、6年連続23度目の優勝を飾った。育英は12月30日開幕の全国選手権(埼玉スタジアム2002ほか)に県代表として出場。初戦は31日で、神村学園(鹿児島)と対戦する。

 前橋育英が後半に奪った執念の1点で全国切符を勝ち取った。前半は長短のパスを効果的につないで健大高崎ゴールにたびたび迫ったが、健大GK倉石の好セーブもあって無得点。10回のCKは粘りの健大ディフェンスに阻まれ、0―0で折り返した。

 シュート数で大幅に上回る育英ペースで迎えた後半25分。相手の背後を突いたFW中村が左からシュートを放ち、GKがはじいたこぼれ球をMF熊倉達が押し込んだ。ゲーム主将のMF栗原を中心に1点を守り切った。

 ▽決勝  
前橋育英 1(0―0)0 健大高崎
      (1―0)      
▽得点者【前】熊倉達(後半25分)


◎2年・熊倉達決勝ゴール
 
 スコアレスの膠着(こうちゃく)状態に風穴を開けたのは、前橋育英の2年生MF熊倉弘達だった。後半25分。FW中村草太がドリブルで左サイドを駆け上がり、中へ切り込んでシュート。健大高崎GKがはじいた球に鋭く反応し、利き足の右で押し込んだ。目の前に転がり込んできた決勝弾に「おいしかった」と笑みをこぼした。

 決勝前日。受験でピッチに立てないFW久林隆祐から手紙をもらった。「2年生でも遠慮せずにやれば決められる。いい報告を待っている。頼んだ」。不安で寝つけない夜は、出場できない3年生の気持ちに思いを巡らせて「全国の舞台で再び一緒に」と自身を奮い立たせた。

 前半から狙っていた。だが、健大DF有村樹らの体を張った堅守に阻まれ、ゴールに迫るも決めきれずに時間だけが過ぎた。それでも「自分たちのサッカーを見失ったら相手の思うつぼ」。冷静に「その時」だけに意識を集中させた。湿ったピッチ。「シュートを打てばこぼれる。攻撃陣は詰めていこう」。山田耕介監督の言葉通りに詰めて放った一発で試合を決めた。

 自身の「足」でつかみとった憧れの舞台。開幕までの1カ月は「もう一度、練習から厳しくやり直す」考えだ。その先にチーム2度目の全国制覇を見据えた。

◎育英シュート23本 攻め手緩めず

 「タイガー軍団」は攻め手を緩めなかった。前橋育英が放ったシュートは相手を20本上回る23本。結果としての1得点は、むしろ好セーブが光った相手のGK倉石大夢とDF陣をたたえるべきかもしれない。全国舞台までに決定率を高め、再び頂点に挑む。

 「10本打って、1点決めればいい」。山田耕介監督はそう言い続けてきた。チームはこの日も山田監督の言葉を体現。DF相原大輝は頭で合わせ、MF倉俣健はミドルから狙った。MF山岸楓樹も枠を捉えた。

 攻め続けるチームをMF栗原諒が支えた。準決勝の桐生第一戦でトップチームの公式戦に初先発した3年生。しかもゲーム主将に抜てきされ、「一度勝ち切れたことが自信になった」。2度目のゲーム主将として迎えた決勝。好機を生かせない前線を「何度でも球を供給する」と落ち着かせ、後半は仲間に1点を守り切る決意を説いた。

 FW久林隆祐やMF渡辺綾平らを欠く中、代わって決勝で猛攻を仕掛けるチームをまとめた栗原。トップで戦えない悔しさを知る苦労人は「ピッチにいない仲間の思い」を背負ってこの先も戦う。(小山大輔)

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