《挑戦者から女王へ・全日本高校女子サッカー(上)》育英(関東1位) 強豪に挑む
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
初の全国制覇に向けて気合の入った練習を続ける前橋育英
抜群の得点力で全国での活躍を誓うFW木村華

 サッカーの第28回全日本高校女子選手権(1月3~12日、兵庫)に、6大会連続6度目の出場となる前橋育英(関東1位)と4大会ぶり3度目の健大高崎(同6位)が挑む。育英は関東女王として上位を狙い、健大は2015年度の8強超えを目指す。1回戦はともに3日。育英は関西1位で今年の全国高校総体準優勝の日ノ本学園(兵庫)、健大は四国2位の鳴門渦潮(徳島)と対戦する。

◎走り込み体力強化
 前橋育英は全国大会出場権を懸けた11月の関東高校女子選手権で、今夏インターハイ女王の十文字(東京)など並み居る強豪を撃破、初優勝した。全国に向けて仕上がり上々だ。

 挫折を経て成長した。前年度の3位に続いて上位を目指したインターハイ初戦。スコアレスからPK戦の末、神村学園(鹿児島)に敗れた。全力疾走で戦い抜くため、徹底した走り込みで体力を強化した。

 2009年創部。選手権は15、16年度に16強入りした。今季はピッチ内外で「仲間のために」(大手真智子監督)と動けるチーム。全員で全国切符を再び手にした。

 期待が高まる全国初制覇に向け、鍵を握るのはGK伊藤有里彩。なでしこリーグのAC長野パルセイロ・レディース(来季2部)入団を決めた絶対的守護神だ。関東大会は4試合1失点に抑えた。抜群の瞬発力を武器にどんな球もはね返す。ピッチ上の指揮官として信頼も厚い。

 MF野口珠里主将がゲームをつくる。熱血のDF鈴木紋伽が周りを鼓舞。トップ下のMF小林真希が味方を生かす。

 激戦区に入った。初戦の日ノ本学園は優勝3度の強豪。4強進出には十文字や2連覇を狙う星槎国際湘南(神奈川)とぶつかる可能性もある。ただ嘆くことはない。「全国を制すためには、どこかで倒さなければならない相手」と野口主将。新しい歴史をつくる戦いが始まる。

◎決定力高い点取り屋 FW 木村華恋
 猛虎女子軍団が誇る2年生エースストライカー。華麗なステップからの抜け出しは大手真智子監督も太鼓判を押す。1点が欲しい場面での決定力の高さでチームの信頼を勝ち取った。ディフェンスラインの背後に走り込む「裏抜け」に自信がある。

 ただ、関東選手権の2カ月ほど前からネットを揺らせずに悩んだ。「ゴール前のフリーでも枠を捉えられない」ほど、過去にないスランプ。「プレーに迷いが生じて、無意識に雑になっていた」。卒業した先輩に相談し、全国舞台で戦う気持ちを再確認して強豪校に挑み、準々決勝の十文字戦で完全復活の2ゴールを挙げた。

 J2アルビレックス新潟のMF本間至恩しおんに憧れる。「ドリブルの駆け引きと正確なパスにわくわくする」。まねることで自身の技術を磨いてきた。「わくわくさせる」プレーで全国制覇に突き進む。

 きむら・かれん 2002年9月生まれ。3人きょうだいの末っ子。ザスパクサツ群馬レディース出身。好きな音楽はレゲエ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事