陸上男子円盤投げ ALSOK群馬の堤が2年ぶり日本記録奪還
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日本記録を更新し、記録表示板の前で笑顔を見せる堤(ALSOK群馬)

 陸上男子円盤投げの堤雄司(ALSOK群馬)が2年ぶりに日本記録保持者に返り咲いた。3月27日に母校・国士舘大の競技会で従来の日本記録を43センチ上回る62メートル59をマーク。2017年に初めて樹立した日本記録を翌年塗り替えられたが、不屈の30歳が進化を証明した。1964年東京大会以来の日本男子円盤投げオリンピアンを目指し、「まだまだ成長できる」と飛躍を誓う。

◎来年の五輪へ闘志

 記録更新は5投目だった。「すごく、飛んだな」。61メートル64の自己ベストどころか、18年にライバル湯上剛輝まさてる(トヨタ自動車)が樹立した日本記録62メートル16も上回っていた。「特別意識はしていなかったけれど、素直にうれしい」

 ただ、湧いてきたのは初めて日本記録を樹立した17年とは異なる感情だった。当時はこの種目38年ぶりの日本記録で「ずっと一つの目標にしていたから『ようやく出たな』と感慨深かった」と振り返る。今回は「自己ベストが出て良かったな、という気持ちが強い。記録や技術の追求に終わりはない。もっともっと上を目指す」。

 今年夏に予定されていた東京五輪出場を目指し、例年より早い2月にシーズンイン。ニュージーランドに遠征し、初戦から59メートル台を記録、2戦目には自己ベストにあと4センチと迫る61メートル60をマークした。

 好調の要因は腕を振り切るタイミングの修正。昨秋はターンに勢いがついた分、ファウルになる試技が多く、「円盤を長く持ちすぎず、早めにリリースするイメージにした。63メートルは普通に出そう。状況によっては64~65メートルも見えてくる」と好感触を得ている。

 12年に初めて日本選手権を制し、14年から17年まで4連覇。18年は湯上に敗れ、目の前で日本 記録更新を許した。その秋に痛みのあった腰の手術に踏み切り、一時休養を余 儀なくされたが、昨年の日本選手権は自己ベストで6度目の優勝。並大抵のことではくじけない王者の意地を示した。

 目標の東京五輪は1年延期、大会中止も相次ぎ、五輪切符を狙う機会も先送りとなった。だが「自分は五輪出場が確約されていたわけではなく、やる気が出ないなんて言っていられない。どんな状況でも目標に向けて最大限の準備をしていくだけ」。現行の東京五輪参加標準記録は66メートル00だが、世界ランキングによる選考も見据えて力強く歩を進める。

 つつみ・ゆうじ 1989年12月、北海道生まれ。札幌拓北高―国士舘大―国士舘大大学院。184センチ、112キロ。

◎群馬のアスリートにひと言

 なかなか外に出られず、みんなが苦しい思いをしている。お互いに励まし合って、自分にできることを一つ一つやっていこう。

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