ひのき舞台 中止に落胆 インターハイ 51年ぶりの群馬開催ならず
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県庁に設置された高校生手作りのカウントダウンボード。「あと106日」と表示されていた=26日
 

 「残念の一言」「受け止めたい」―。群馬など北関東を主会場とした全国高校総体(インターハイ)の中止が発表された26日、県内に衝撃が広がった。51年ぶりの群馬県開催を盛り上げようと、大会関係者は運営やPRに力を入れてきただけに落胆の色は濃い。ただ、新型コロナウイルス感染拡大により開催準備にも支障が出ており、決定に理解を示す声もあった。

◎感染拡大後は準備が遅れ気味に
 「3年生には最後のひのき舞台。命を守る選択を受け止めたいが、やらせてあげたかった」。群馬県で開催される5競技のうち、前橋市で予定された空手道。県専門部の飯島雅史委員長は地元での上位進出を期待された選手を思いやった。

 今夏のインターハイ開催に向け、県教委は2018年4月、健康体育課内に準備係を前身とする全国高校総体推進室を設置。同年5月に発足した県実行委員会の事務局を担っているほか、県内で開かれる競技の運営をまとめてきた。

 準備の最終段階に入った今年3月ごろからは全国で感染が拡大。参加者の密集を避けるため全て書面会議としてきたが、議論がはかどらず準備が遅れ気味だった。田村浩之室長は「開催に向けて、関係者がさまざまな取り組みで機運を高めてくれた。選手たちのことを考えると、残念の一言」と話した。

 選手以外の高校生もPR活動で大会運営を後押しした。県高校生活動推進委員会は生徒20人が各地でPR活動などを展開してきたが、今年は3月上旬に予定していた県内3駅の周知活動を中止。5月にはALSOKぐんまアリーナ(前橋市)で行われる総合開会式の練習会に参加予定だったが、これも見送られた。

 同委員会の高橋弘大委員長(前橋高3年)は県を通じ「たくさんの仲間たちと一つの目標に向かって切磋琢磨せっさたくまできたことは貴重な経験。今後の人生の糧として前向きに捉えたい」とコメントした。

◎宿泊 バス業界に追い打ち
 群馬県内の宿泊施設やバス事業者はインターハイ関係の需要を見込んでいた。中止によるキャンセルで、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受ける経営に追い打ちとなるのは必至だ。

 ホテルサンダーソン(前橋市)は大会関係で延べ1000人の宿泊を予定していた。キャンセルになれば1000万円もの減収となる。担当者は「例年8月はスポーツ関連の予約が半数以上を占める。それがなくなると相当厳しい」と声を落とす。

 大会関係者60人ほどが宿泊予定だった群馬ロイヤルホテル(同市)は今月中旬から休館中。担当者は「キャンセルも影響はあるが、それよりまずは営業を再開しないと」と話した。

 高崎市のホテルは新体操の出場者らが日程(8月18、19日)前の14日から連泊予定だった。担当者は「売り上げ減は避けられない」と落胆を隠さなかった。

 県バス協会は「本来なら東京五輪もあり、バス業界はうれしい悲鳴のはずだったのに」と肩を落とす。開会式などの輸送業務を実行委員会から請け負っていた県バス事業協同組合は「影響は見通せない」とする。相次ぐイベント中止で、同組合の本年度の売り上げはほとんどない状態という。

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