五輪へ走り 手応え 合宿中の南スーダン選手 来日後初の公式大会
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(左)男子1500メートルで先頭を走る南スーダン陸上選手団のグエム・アブラハム選手、(右)女子100メートルで力走するモリス・ルシア選手=18日、前橋市の正田醤油スタジアム群馬

 前橋市で東京五輪・パラリンピックの長期事前合宿中の南スーダン陸上選手団が18日、同市の正田醤油スタジアム群馬で開かれた群馬県陸上競技選手権大会にオープン参加で臨んだ。新型コロナウイルスの影響で記録会中止が相次ぎ、昨年11月の来日後で初めての公式大会出場。会見した選手たちは大会での手応えをつかんだ様子で、来夏に延期された五輪に向けた思いを語った。大会2日目の19日にも出場する予定。

◎延期の来夏に向け「大きい経験」
 選手団は新型コロナの影響で、出場を予定していた春以降の記録会が中止となり、練習やタイムトライアルを続けてきた。

 男子1500メートルに出場したグエム・アブラハム選手。決勝では他の選手を大きく引き離し、大会記録に迫り1着でゴールした。「群馬のすばらしいアスリートと競技ができたのは光栄。スピードはまだまだ向上できていないが、忍耐面は日本に来て向上した」と手応えをつかんだ様子だった。

 女子100メートル決勝で2着だったモリス・ルシア選手は、満足できない表情を浮かべた。「寒いのが苦手で、スタートもうまくいかなかった。自分より速い選手がいた。優勝したかったので悔しい」とした。

 男子100メートルで予選落ちしたものの、自己ベストを出したクティヤン・マイケル選手は「日本人に囲まれた大会の参加は誇りで、非常にうれしい。コーチのおかげで自身の記録を樹立できた」と話した。スタートの強化という課題を見つけたという。

 男子400メートルで予選突破したアクーン・ジョセフ選手は「(日本では)1人での練習が多かったので、他の選手と走れる経験は大きい」とし、五輪に向けて公式大会に出場できた意義を強調した。

 オミロク・ジョセフコーチは「来日して初めての大会に参加できたことに非常に満足。経験を今後のトレーニングにつなげたい」と誓った。

 前橋市は当初、昨年11月に来日した選手団の長期合宿を今月まで受け入れ、支援する予定だった。しかし、新型コロナの感染拡大に伴い3月に東京五輪・パラリンピックの延期が決定。8月以降の受け入れについて市は前向きな姿勢を示しているが、関係機関や南スーダン政府との調整を踏まえ、22日にも方向性を示す見通し。

 この点について、アブラハム選手は「五輪に向けた準備のために前橋に残りたい。日本では体調もキープできていて充実している」と話す。ルシア選手も「南スーダンでは練習環境が整っていなかった。ここで五輪の準備をしていきたい」と述べた。

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