周東がパ盗塁王 中利夫さん「素晴らしい」 故郷からも喜びの声
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9日の西武戦で3回裏にシーズン50盗塁目の二盗を決めるソフトバンクの周東=ペイペイドーム(共同)

 プロ野球パ・リーグは9日、レギュラーシーズンを終了し、ソフトバンクの周東佑京内野手(24)=群馬県太田市出身、農大二高―東農大北海道オホーツク=が50盗塁で初の最多盗塁に輝いた。9月後半から一気に盗塁数を伸ばし、連続試合盗塁のプロ野球記録(11試合)、大リーグ記録(12試合)を上回る13試合連続の新記録も樹立した。支配下選手登録2年目で、育成出身選手の盗塁王は初めて。群馬県からは60年ぶり2人目の盗塁王で、投打を通じて個人主要タイトル獲得は30年ぶり。

◎群馬出身者の主要タイトル獲得は30年ぶり
 コロナ禍で6月に開幕した今季前半は途中出場が多く、初盗塁は1カ月後のチーム31試合目と出遅れた。8月に10盗塁をマークし、9月後半から10月末まで40試合で32盗塁。終盤は盗塁王過去3度の西川(日本ハム)と一騎打ちになったが、連続試合盗塁などで引き離した。盗塁成功率は89%(盗塁死6個)に達した。

 昨季は打率1割9分6厘にとどまったが、今季は2割7分に向上。特に走った9月後半からの1カ月半は1試合3安打以上8回などで3割1分9厘の好打率を残し、出塁数を増やした。1番打者に定着し、チームの終盤12連勝、3年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

 群馬県出身の盗塁王は1960年セ・リーグで中利夫外野手(中日、前橋高出身)が50盗塁で獲得して以来。個人主要タイトル(新人王表彰を除く)は1990年パ・リーグで渡辺久信投手(西武、前橋工高出身)が新人の野茂英雄投手(近鉄)と18勝で並び、3度目の最多勝を獲得して以来。

◎打率向上 躍進の鍵に…中さん分析
 前橋高出身で中日在籍時に盗塁王と首位打者になった中利夫さん(84)=名古屋市=は「素晴らしいこと。盗塁数はレギュラーで出場機会を増やすことが大切。自分も特技を生かそうと、セーフティーバントなど打撃を工夫した」と、周東の打率向上を躍進の鍵とみていた。

 現役生活に加え監督経験も踏まえ、「活躍した翌シーズンは当然対策されるけれど、今まで通りをやることが大切」と助言した。

◎「本当に驚いた」…母の園美さん
 周東佑京内野手の母の園美さん(57)=太田市=は昨年の暮れに数日帰郷し、すぐ自主練習に出て行った様子を思い出した。「高校時代から体はかなり大きくなったけど、周りはそれ以上に大きい人ばかり。昨年の支配下登録から成長してきて、今季は1軍で多く出られたらと思っていたのでタイトルは本当に驚いた。コーチや皆さんの指導のおかげ」と感謝した。

 周東が自宅にいるときは野球の話をしないが、出場した試合は欠かさず録画し、「今年はスライディングが速くなった」と感じる。打率が上がったことを喜びつつ「もっと打たないといけない。本人がそれを一番思っているはず」と妥協しない。

 昨年のプレミア12優勝に貢献し、東京五輪代表候補に名を連ねるスピードスターだ。盗塁王のタイトルも加わり盤石に見えるが、「とてもそんなことを言える段階ではない。まだまだです」と冷静。高校卒業時は無名で、プロ入りの厳しい道のりを知る母だからこそ、息子の正念場はこれからと察していた。

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