《部活が変わる》地域移行 始動へ(上) 受け皿 学校との連携 不可欠
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高崎市内外から中学生が参加する新町スポーツクラブのバレーボール教室

 教員の働き方改革の一環で、文部科学省が2023年度から、休日の部活動を段階的に地域に移行させる方針を打ち出した。群馬県内の地域のスポーツクラブが部活を受け入れている先進例や、教員に代わって指導や大会の引率ができる部活動指導員の現状を追い、地域移行の実現可能性を探る。

《受け皿》指導者確保、運営面に課題
 毎週土曜日の夜、高崎新町中体育館にバレーボールの弾む音が響く。高崎市の総合型地域スポーツクラブ、NPO法人新町スポーツクラブが2001年から続ける中高生向けの部活支援の取り組みだ。

 バレー教室に参加する中学生は市内外の男女約20人。新町中2年でバレー部の平塚亜弓さんは「部活ではセッター中心だが、ここではいろいろなプレーができる。違いがあっていいと思う」と話す。

 同クラブはほかにもバスケットボールや剣道などの競技で中学生を受け入れ、クラブのOB・OGが指導者として参加する例が出てきた。一方、指導者の確保が難しかったり、参加者が減少したりして休止された競技もある。

■会費頼み
 クラブの運営は、未就学児から高齢者まで含めた約300人が支払う会費頼み。小出利一理事長(62)は「ほかの団体も含めれば、新町地区で(運動部の)土日の地域移行は可能だと思う。ただ、受け入れる態勢をしっかり整えないと、振り回されるのは子どもたちだ」と指摘する。

 一方、小学生から社会人まで約120人が活動する陸上棒高跳びの専用施設「ベルアスレチックスジャパン」(以下ベル、吉岡町漆原)。1999年に元中学教諭の田中光さん(64)が私費を投じて設立し、中学と高校の男子日本記録を持つ古沢一生選手(前橋育英高3年)ら実力者を育てている。

 全日本中学校大会(全中)陸上男子棒高跳びの過去10大会の優勝者は、10人中延べ5人が群馬県の生徒。中学は異なるが、全員がベルの所属だった。学生会員のほとんどが平日は学校の部活でトレーニングを積み、土日にベルで練習する。

■一貫性
 教員としての指導経験も長い田中さんは、ベルが実績を残している要因に「学校との連携」を挙げる。部活の顧問らとやりとりして練習スケジュールを組んだり、学校生活での様子を踏まえて選手に接したりすることで、一貫性を持った指導ができるという。

 部活の地域移行の際は、スポーツクラブの指導者を集めた研修や会合を定期的に開くことを提案。クラブの運営面と、学校との連携という課題を同時に解決する策として「クラブのスタッフに教員を入れることを条件に、自治体が補助金を出すなどすれば、協力して子どもを育てる仕組みがつくれる」と強調する。

 【メモ】 太田市の総合型地域スポーツクラブ、おおたスポーツアカデミーは市内外の中学生約500人がサッカーやソフトテニスなど20競技で活動する。中学生が全会員の4割を占め、県内最大規模の部活の受け皿となっている。

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