母校の練習グラウンドに戻り、3年生一人一人と握手を交わす山田監督(中央手前)=前橋育英高高崎グラウンド
優勝振り返り握手 育英選手と山田監督帰郷
 サッカーの第96回全国高校選手権決勝から一夜明けた9日、群馬県勢初優勝を...
前橋育英の決勝ゴールに沸くスタンド=埼玉スタジアム
スタンドで…PVで…熱戦見守る 「群馬の誇りだ」
 試合終了を告げる笛と同時に、うねるような歓声がとどろいた。8日に埼玉スタ...
《全国高校サッカー》飯島、田部井涼ら優秀選手 前橋育英から最多6人
 サッカーの全国高校選手権の優秀選手34人が8日発表され、優勝した前橋育英...
控え組のミニゲームで存在感を示すMF田部井涼(右)とFW宮崎(左)=埼玉スタジアム第2グラウンド
前橋育英 悲願つかめ 高校サッカーきょう決勝
 【埼玉=佐藤秀樹】サッカーの第96回全国高校選手権で2年連続3度目の決勝...
前橋育英-上田西(長野) 前半、選手に声援を送る育英のスタンド=埼玉スタジアム
《前橋育英決勝へ》地元応援団 燃える 全国高校サッカー
 勝利の瞬間、観客の笑顔がはじけた。埼玉スタジアム(さいたま市)で6日行わ...
前橋育英-上田西(長野) 後半46分、前橋育英のMF釣崎(27、左から2人目)が決めた6点目を喜ぶイレブン=埼玉スタジアム
前橋育英2年連続決勝進出 全国高校サッカー 流経大柏とあす激突
 【埼玉=本紙取材班】サッカーの第96回全国高校選手権第6日は6日、さいた...
前橋育英-米子北(鳥取) 前半21分、先制点に喜ぶ育英のFW榎本(22)とDF松田(奥)=東京・駒沢陸上競技場
前橋育英2年連続4強 全国高校サッカー
 【東京=外処郷平、佐藤秀樹】サッカーの第96回全国高校選手権第5日は5日...
 
前橋育英 4強懸ける きょう米子北戦 高校サッカー
 サッカーの第96回全国高校選手権第5日は5日、東京・駒沢陸上競技場などで...
前橋育英-富山第一 前半、体を張って相手FKを止める育英イレブン=神奈川・等々力陸上競技場
前橋育英 劇勝で4年連続8強進出 全国高校サッカー
 【神奈川=外処郷平、佐藤秀樹】サッカーの第96回全国高校選手権第4日は3...
前橋育英-初芝橋本(和歌山) 後半35分、5点目を決め喜ぶFW宮崎(13)ら=神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場
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スタンドで…PVで…熱戦見守る 「群馬の誇りだ」
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前橋育英の決勝ゴールに沸くスタンド=埼玉スタジアム
決勝ゴールを喜ぶパブリックビューイングの観戦者=前橋市の前橋テルサ
悲願の優勝に涙ぐむ前橋育英の女子生徒=埼玉スタジアム

 試合終了を告げる笛と同時に、うねるような歓声がとどろいた。8日に埼玉スタジアム(さいたま市)で行われた全国高校サッカー選手権決勝。前橋育英イレブンに在校生やOBら3000人以上の関係者が声援を送り、群馬県勢初となる歴史的快挙を目に焼き付けた。

 在校生と保護者ら約1300人がバス37台で聖地に乗り込んだ。OBも大挙して訪れ、昨年の決勝のピッチに立った人見大地さん(19)、高沢颯さん(19)は「自分が逃した景色を見て」と期待。第75回大会で8強入りした際の主将、岡田直彦さん(39)は「勝って校歌を歌いたい」と願った。

 前半の26分すぎと終了間際に放たれたシュートが、相手ゴールのポストとバーに阻まれると、観客から「惜しい」と声が上がった。ハーフタイム中、田部井涼主将らが中学時代に所属した前橋FCの選手で、育英進学を目指している新井悠太さん(14)は「迫力あるプレーで絶対に勝って」と祈った。

 後半に入りチャンスが連続すると、スタンドのボルテージが上昇した。終了間際に榎本樹選手が先制点を決めるとスタンドは総立ちに。試合はそのまま終了し、校歌の大合唱が巻き起こった。選手権に初出場した際のメンバー、小林茂さん(48)は「山田(耕介)監督の胴上げをやっと見られた」と感慨深そうに話し、OB会長の佐藤正美さん(36)は「(横断幕の)“強く、激しく、美しく”そのままの試合」と表現した。

 スタンドの前に選手が並ぶと拍手が一段と大きくなった。榎本選手の父、敬さん(53)は「多くの人に祝福されてうれしい」と笑顔を見せ、田部井主将の母、直美さん(45)は「信じていた。ありがとう、お疲れさま」と喜ぶ選手を見守った。

◎市民300人熱戦見守る 前橋でPV

 全国高校サッカー選手権決勝のパブリックビューイング(PV)が8日、前橋市内で開かれ、約300人の市民が熱戦を見守り、地元の高校の劇的な勝利に喜びを爆発させた。

 試合開始前、昨年に続いて市主催のPVを観戦する会社員の桝山一郎さん(40)=玉村町=は「育英は選手全員のレベルが高い。三度目の正直で、今年こそ優勝してほしい」と期待し、息子の隼哉さん(14)は「ボールを積極的に回して大量得点で勝って」とエールを送った。

 前半は両チームとも無得点で終了。前橋粕川小6年の新井雄稀君(12)は「あっという間に前半が終わった。緊張感があって画面から目を離せない」と話し、会社員の長井俊蔵さん(62)=高崎市=は「押していた。ぜひ優勝を」と願った。

 後半も一進一退の攻防が続いた。延長戦に突入するかと思われた47分、待望の瞬間が訪れた。榎本樹選手がシュートを決めると会場の熱気は最高潮となった。

 会社員の富沢誠一さん(43)=同市=は「高校生とは思えないレベルの高い試合。今回の優勝で県内サッカーも活気づく」と笑顔。萩原明美さん(76)=前橋市=は「最後まで諦めない姿勢に感動した。群馬の誇りです」と目を赤くした。

 サッカー少年に夢や希望を与える試合だった。前橋大利根小6年の榎本翔君(12)は「自分も前橋育英の選手としてあの舞台に立ちたい」と目標を掲げた。

◎「粘りに感動」「経験生かして」 県民から祝福の声

 「感動した」「本当におめでとう」―。前橋育英が全国高校サッカー選手権で初優勝した8日、県民からは日ごろの努力や決勝の激闘をねぎらう声が上がった。

 福祉施設職員の後藤光好さん(62)=渋川市=は「一年の幕開けに、非常に喜ばしい知らせ。選手たちに『お疲れさま』と声を掛けたい」と興奮さめやらぬ様子。会社員の山本卓司さん(62)=太田市=は「選手全員の連携があってこその優勝だ。本当におめでとう」とねぎらった。

 県勢初優勝は同世代の高校生に夢と勇気を与えた。練習後にテレビ観戦したという高崎工業サッカー部2年の生形蓮也さん(17)=吉岡町=と村上翔太さん(17)=高崎市=は「自分たちも同じ群馬の高校生。パスの精度や運動量の多さを参考にしたい」と目を輝かせた。伊勢崎四ツ葉中等6年の中野明日菜さん(18)=前橋市=は「同じ高校生の頑張りを見て、自分も芸術分野で頑張る」と張り切った。

 息子2人がサッカーに熱中し、自身も高校までプレーした自営業の片野一明さん(37)=沼田市=は「今年こそはと応援してきた。試合終了の笛までひやひやしたが、決めてくれた」と笑顔。パートの久保美智子さん(62)=高崎市=は「群馬の高校スポーツは野球だけでなくサッカーも全国級だと証明された」と喜んだ。

 サッカーには詳しくないという前野栄さん(74)=桐生市=も「粘りに粘って終了直前のゴール。感動した。選手たちはりりしい顔で、サッカーを通して人間的にも成長しているのだと感じた」と感慨深げ。団体職員の黒岩桜児さん(41)=草津町=は「ザスパクサツ群馬のチャレンジャーズが町内にあるので、サッカーを身近に感じる。県民として誇らしい」と声を弾ませた。

 自営業の竹川百合子さん(72)=太田市=は「優勝までの道のりにはいろいろなことがあったと思う。選手にはこの経験を今後の人生に生かして活躍してほしい」と話した。

◎「優勝校を手本に」 サッカー関係者称賛

 県内のサッカー関係者は、優勝した前橋育英を称賛し祝福した。

 「屈辱的な大敗からよくここまで来た。山田耕介監督は人間的なことも含めて素晴らしい教育をされた」。埼玉スタジアムで歴史的勝利を見届けた県サッカー協会の針谷章会長は、チームをこうねぎらった。

 決勝の展開を「練習量で評判の相手に走り負けず、よく守り、攻めた。ルーズボールを取る場面も多かった」と評価。「身近に生まれた優勝校を手本に、各校がさらに力を伸ばしてほしい」と県内高校サッカーの底上げを期待した。

 J3ザスパクサツ群馬の運営会社の社長に来月就任する奈良知彦氏は「終盤も運動量が落ちず、1年間の頑張りに神様がほほ笑んだ」と熱っぽく語る。「県大会決勝はいつも育英が相手だった。切磋琢磨せっさたくましたのがいい思い出」と前橋商業高の監督時代を振り返った。

 強豪少年チーム、ファナティコスの若林秀行監督は「大舞台のはずなのに誰一人緊張に負けず堂々としていた」と感心する。「どんな選手になりたいか、子どもたちが目標を明確にするきっかけとなった試合。これからも憧れの強い育英でいてほしい」とエールを送った。

 県高体連の坂田和文会長は山田監督について「国体などで一緒にピッチを駆け、監督同士で戦ったこともある。常に新しい戦術を勉強する研究熱心な人」と評する。「サッカーに限らず、さまざまな競技で全国に群馬の名を響かせるチームが出てくることに期待したい」と話した。

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