川島氏(桐高出身)が野球殿堂入り アトランタ五輪日本代表監督で銀メダル
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野球殿堂入りが決まり、笑顔の川島勝司氏=14日、浜松市(代表撮影)
アトランタ五輪日本代表と米国代表との練習試合で、バッテリーを励ます川島監督(左端)=1996年7月、ミリントン(共同)
河原井さんとともに桐生高の後輩に目的意識を持った練習の大切さを説く川島氏(右)=2010年2月

 野球殿堂博物館は14日、今年の殿堂入りのメンバーを発表し、アマチュア野球関係者などから選ばれる特別表彰でアトランタ五輪日本代表監督の川島勝司氏(77)=桐生高出身=を選出した。社会人野球の都市対抗大会でヤマハ(日本楽器時代を含む)を3度優勝に導き、1996年のアトランタ五輪では日本代表を率いて銀メダルを獲得した。

 特別表彰では、日米の野球史を題材にした作品を数多く手がけたノンフィクション作家の佐山和夫氏(84)も選ばれた。

 プロ野球の元選手や指導者が対象となる競技者表彰は98年以来、23年ぶりに選出なしとなった。元選手を表彰するプレーヤー表彰、指導者としての業績も考慮されるエキスパート表彰ともに規定の得票数に達した候補者がいなかった。

 本県関係ではこれまでに、プロ野球創立に尽力した故鈴木惣太郎氏(伊勢崎市出身)=68年特別表彰=が殿堂入りしている。

◎「身に余る光栄」 喜びの川島氏


 川島氏はアマチュア球界の名指導者として偉大な先人が並ぶ野球殿堂の一員に名を連ねた。「身に余る光栄。多くの方の支えがあった」と喜びを語った。

 アトランタ五輪で日本代表を率いて銀メダルを獲得。キューバとの決勝で4番松中信彦が放った同点満塁本塁打を「全身が総毛立つような、これまでにない感動に包まれた」と振り返った。惜しくも頂点には届かなかったが「離されては食らいつくファイティングスピリッツが強烈な思い出として残っている」と当時のメンバーをたたえた。

 新型コロナウイルス拡大の影響を受けて今夏に延期された東京五輪で、日本代表は正式競技として初の金メダルに挑む。「コロナ禍で厳しい準備を強いられることになるが、日本野球界の悲願を成し遂げてもらいたい」とエールを送った。

◎後輩の河原井氏、阿久沢氏ら祝福


 野球殿堂入りした川島勝司氏(77)=桐生高出身=は、日本野球連盟副会長などアマチュア球界の要職を歴任。球都黄金期を築いて多くの野球人を輩出した故稲川東一郎監督(1967年死去)の門下でも出色の活躍を続けた。社会人野球の監督時代は同校の後輩でもある前野和博氏(72)の率いた東芝と日本一を競って名勝負を生んだ。「大先輩の名誉ある受賞。現役生に励みになる」と後輩から祝福の声が挙がった。

 同校出身で現コーチの河原井正雄さん(66)は青学大生の時に日本楽器(現ヤマハ)の監督だった川島氏と出会い、青学大監督当時は定期的に練習試合を組んだ間柄だ。「温厚な人柄で同時に勝負師。いつも母校を気に掛けていた。成績だけでなく、人格も評価されたと思う」と話した。現役生に、その活躍を伝えていきたいとした。

 同校出身で監督も務め、現在は群馬プロバスケットボールコミッション社長の阿久沢毅さん(60)は川島氏を「熱い人」という。稲川監督当時は大人数の部員による生存競争の激しさが語り草で、「栃木から 志を持って飛び込み、厳しさに立ち向かった。磨かれた人間性がある。(受賞は)技術うんぬんより、野球への 思いでしょう。本当に誇らしい」とたたえた。

◎温厚で優しい


 ロッテ・井口資仁監督の話 川島さんはすごく温厚で優しい方という印象が 残っている。アトランタ五輪はメジャーに憧れを抱き、世界に行きたいと思う きっかけとなった大会。あの時の経験を生かしながら優勝できるチームを つくり、野球界を盛り上げていきたい。

◎チャンスくれた


 中日・福留孝介外野手の話 (川島氏の下でアトランタ五輪を戦い)高校を出たばかりの僕を代表に選んでいただき、世界を相手に戦うチャンスを与えてくださった。日の丸を背負う意味や重みを体験できたことは、その後の野球人生にも生かすことができた。

◎都市対抗で最多タイの3度優勝


 川島氏は社会人野球や国際大会で指導者として実績を残した。都市対抗大会での優勝3度は最多タイ記録。1988年ソウル五輪では日本代表コーチを務めて銀メダルに貢献し、96年アトランタ五輪でも監督として銀メダルに導いた。

 アトランタでは予選リーグで一時、1勝3敗と追い詰められながらも巻き返し、準決勝では予選リーグで敗れた米国に雪辱して決勝へ進んだ。「日の丸の重みを十分に味わわせていただいた。帰国から3、4年は感情がかなり激しく上下に振れる状態だった」と重圧ゆえの苦労を明かした。

 手腕を買われ、出身チームではないトヨタ自動車でも監督、総監督を務めるなど選手や指導者の育成に尽力した。

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