前橋みずき中の石原一幸教諭 難関の剣道最高段位・八段合格
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「仕事と家庭があっての自分」と剣道に打ち込める環境に感謝する石原一幸教諭

 剣道最高段位の八段に群馬県の前橋みずき中教諭の石原一幸七段(55)=前橋市=が合格した。11月に都内で開かれた2日間の審査会に915人が挑戦し、合格者はわずか4人の難関だった。教員の仕事を持ちながら14度目の挑戦で、「基本通りの正しい剣道を常に心掛けてきた。校長をはじめ教員仲間の協力のおかげ。剣道部の教え子、剣士である2人の息子も支えになった」と感謝する。

◎「無心で攻め」つかんだ快挙 群馬の剣道 活性化を目指す
 前橋商高在学中の1983年あかぎ国体少年団体で大将を務めて優勝。5回出場した全日本選手権では1999年に3位に入るなど実績を重ね、37歳で七段に合格、10年後の八段受審資格を得て挑戦を始めた。30代後半で腰を手術した影響が残り、痛みと向き合いながら週4日程度の出稽古を続けてきた。同高時代に出会い、師と仰ぐ鈴木孝宏さんは「かけがえのない存在」(石原教諭)で、苦しい時に励ましを受けて幾度も挫折を乗り越えてきた。

 攻撃の中心は面。相手の隙を見極め、少ない本数で勝負を決める。審査では、「充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるもの」と規則に定める必然的な有効打突や、立ち振る舞いが評価される。「相手を見て、守りの意識に入ってしまった」前回の反省から、相手の出てくる兆しを狙い、捨て身の姿勢を貫いた。2次審査まで計4人と対戦したが「立ち合いを全く覚えていない。無心で攻めた」と振り返る。

 合格を知った瞬間は、喜びとともに「責任を感じた」と、思いは群馬県の競技活性化に。競技者と指導者の実力アップを図る前橋市長杯で実行委員長を務め、昨年度は県内外の中学生約700人が集まった。「学校、地域の垣根を取り払いたい。幅広い年代で普及を」と使命感を抱く。

 「自分と向き合えるのが魅力」と小学2年で競技を始め、剣道一筋に歩んできた。メダカの品種改良が息抜き。段位は最高地点に到達したが「ここからが本当の修行。報恩謝徳の心で恩に報いたい」と、精進と競技振興への尽力を誓う。

 いしはら・かずゆき 1965年11月生まれ。前橋東中―前橋商高―日体大出身。群馬県剣道連盟強化委員、前橋支部理事長。175センチ、79キロ。

◎本年度 群馬県内2人目の快挙に
 八段審査会は近年、5月(京都)、11月(東京)に計4日間開かれてきた。本年度は新型コロナウイルス感染症拡大のため5月の審査会を延期、10、11月に東京で開かれた。両月の受審者合計1561人に対し合格者は10人で、合格率0.6%。都県別は東京4人、群馬2人のほかは4県各1人(茨城、千葉、熊本、鹿児島)。受審資格は46歳以上で七段取得後10年以上など。10月の審査会で合格した元高崎倉渕小校長の小池政一八段(高崎)に続き、群馬から現元の教員が同一年度に合格する快挙となった。

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