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東京五輪で3大会連続出場を目指す水泳女子オープンウオーター10キロ(OWS、マラソンスイミング)の貴田裕美(コナミスポーツ水泳競技部、共愛学園前橋国際大出身)は、五輪の1年延期、さらに実戦機会も乏しい状況ながら、高地練習で後半に踏ん張りの利く体づくりを進めている。5月の世界最終選考会と8月の本番へ、自国開催五輪に悔いを残さない追い込みを誓う貴田に聞いた。
―昨年2月のワールドシリーズで肋骨(ろっこつ)を折り、半年近く練習方法に苦労した。
6月に回復するまで呼吸もつらく、水中練習はシュノーケルを付けた。ランニングは振動があって良くないため、下半身強化にフィットネスバイクをこぎ、あるいは足ひれを着けて泳いだ。体力は維持できたが、本格的な水中練習でストロークに違和感が残った。特に右肩がスムーズに回らず、戻すのに2カ月近くかかった。
―10月の日本選手権が台風で中止されるなど実戦機会が少ない。
骨折からの復帰が間に合い、体をしっかりとつくれていたので残念だった。その後にトレーニングの一環で、国内の試合にオープン参加した。最近のリザルトで各国選手の記録やレースパターンなどを調べ、過去の大会経験も振り返っている。最終選考会のレース展開は想定しているが、今の自分が世界でどのくらいの位置にいるのか測れていない難しさはある。
―12月、1月に国内強化合宿があり、次世代を担う学生にアドバイスを送った。
昨年も「これが最後」というつもりで、積極的に話し掛けた。国際大会で戦うためにトレーニングをどう取り組むかなどを伝えた。オープンウオーターの練習は長い距離を泳ぐが、それだけでは実戦で通じない。レース展開は刻々と変わる。どの場面でどう泳ぐためかをイメージしておかないと効果的でない。普段は一人で練習しているので、自分にも刺激になった。
―日本初の高地練習用プールが長野に完成し、昨年から活用している。
高地でのトレーニングは平地に比べると酸素が薄いので苦しいが、平地に下りたときに同じタイムで泳いでも楽に感じ、後半踏ん張れるようになる。年齢的にも急激にタイムが上がるわけではなく、今までやらなかった技術や強化方法を新しく取り入れることが大事。「あれをやっておけば」とか「頑張っておけば」と思いたくない。
―2012年ロンドン、16年リオデジャネイロと違い、今回の五輪開催にはさまざまな意見がある。
自国開催だから現役続行を決め、五輪に向けて覚悟を決めて競技に取り組んでいる。東京五輪への思いは強い。開催を信じ粛々と準備するのみだが、社会情勢が違うなか、「応援してくれるだろうか?」という不安は正直ある。
きだ・ゆみ 1985年6月生まれ。埼玉県朝霞市出身。3歳で本県へ。高崎北高―共愛学園前橋国際大卒。160センチ。