パナソニックワイルドナイツが5度目のTL制覇 太田本拠地、最後のシーズンを優勝で飾る
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サントリーを破って優勝し、表彰式で喜ぶパナソニックの選手ら=東京・秩父宮ラグビー場(日本ラグビーフットボール協会提供)
ワイルドナイツの優勝をたたえるパナソニック応援スタンド=東京・秩父宮ラグビー場
パナソニック-サントリー 後半、強力なディフェンスで相手ボールをもぎ取るパナソニック=東京・秩父宮ラグビー場

 【東京=石田貞之、越谷奈都美】ラグビーの日本選手権を兼ねたトップリーグ(TL)のプレーオフトーナメント決勝は23日、東京・秩父宮ラグビー場で行われ、パナソニックワイルドナイツ(ホワイト・カンファレンス=白組1位)が31-26でサントリー(レッド・カンファレンス=紅組1位)を破り、4季ぶり5度目(中止となった昨季は大会回数から除外)のTL制覇を果たした。日本選手権優勝は6度目。パナソニックは埼玉・熊谷市への本拠地移転が決まっており、太田市をホームに戦う最終シーズンを優勝で飾った。

 TL5度の優勝はサントリー、東芝と並び最多タイとなる。

 パナソニックは前半5分にディラン・ライリーがトライを決め、松田力也のコンバージョンキックも成功して7点を先制した。その後も松田がペナルティーゴールを3度決め、この試合で引退し医師を目指す福岡堅樹もトライを奪うなど23-7で前半を折り返した。

 後半は開始2分でトライを奪われるなどサントリーの反撃ムードとなり、我慢の時間が続いたが、粘り強く守った。15分にヴァルアサエリ愛のトライ、33分に山沢拓也のペナルティーゴールと苦しい時間帯での着実な加点が勝負を分けた。

 組織的な守備からの速攻を掲げたパナソニックが持ち味を出し切り、サントリーの攻撃ラグビーを一歩上回った。坂手淳史主将は「全員が自分の仕事をやり切ることで勝利につながった。目標に向かって戦ったみんなを誇りに思う」と感謝した。

 2003年創設のリーグは今季で幕を閉じ、来年1月には新リーグに生まれ変わる。

 ▽決勝

パナソニック3123-726サントリー
8-19


サントリ 110 7 320 19 26
      TGP 前 TGP 後 計
パナソニ 223 23 101 8 31
(パナソニックは日本選手権で6度目、トップリーグで5度目の優勝)

◎ラグビー愛、県内刻む ファン、歓喜と感謝 パナソニックTL優勝で

 パナソニックワイルドナイツがラグビー日本一に輝き、トップリーグ(TL)を制した23日、多くの地元ファンや関係者が喜びに沸いた。夏には埼玉県熊谷市に移転するため、太田市が拠点となるラストシーズンに“有終の美”を飾った格好だ。サントリーとの決戦の舞台となった東京・秩父宮ラグビー場には多くの県民が駆け付け、チームに感謝する言葉も飛び交った。

 前身の三洋電機時代からのファンという大泉町の会社員、大槻哲也さん(51)は「太田のグラウンドに通って練習を見学した。最後だから勝って終わってほしい。声は出せないが、全力で応援する」と試合前に意気込んだ。

 2019年ワールドカップ(W杯)日本大会などで活躍したWTB福岡堅樹選手は医師を目指すため、この試合を最後に引退することを表明していた。会場には、福岡選手の背番号11が入ったユニホームやTシャツを身に着けるファンの姿も。前橋市の女性会社員(36)は「ラグビーだけでなく、人に対して誠実な選手。引退はすごく寂しいけれど、最後にプレーを見ることができて良かった」と感激した様子だった。

 試合は激しい攻防が繰り広げられ、手に汗握るプレーが続いた。ノーサイドの笛が鳴ると、会場は大きな拍手に包まれた。

 「絵に描いたような素晴らしい戦いだった」。ワイルドナイツスポーツプロモーションの三宅敬代表理事(41)は、スタンドで選手たちを見守り、熱っぽく語った。同団体は子どもたちにラグビー体験の場を提供しており、「これからも太田にパナのDNAを伝えていきたい」と力を込めた。

 テレビ観戦する人たちにも喜びが広がった。三洋電機ラグビー部OB会の細野安司会長(60)は「良い節目を迎えられた。これまで大泉、太田と移転した歴史があり、そして熊谷へ移る。地域は関係なく、みんなに愛されるチームになってほしい」と話した。

 元主将の霜村誠一さん(39)は、10年前に三洋電機として最後のシーズンのTLで初優勝したことを思い出したという。「また節目で優勝し、感慨深いものがある。体を張って守る『ワイルドナイツらしさ』が健在でうれしかった」と語った。

 優勝は、若者たちにも希望を与えた。チームとの交流を続けてきた桐生第一高ラグビー部主将の伊豆純さん(17)は「相手をゴール前でもしっかり止めていてすごかった。前に教えてもらった守備を実践して、花園に行きたい」と目標を語った。

 同部OBで、明治大ラグビー部で活躍する斉藤誉哉さん(20)は「幼い頃から憧れていたチームのひたむきなプレーを見て勇気が出た。自分もあの舞台に立ちたい」と夢を語った。(まとめ 時田菜月)

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