ソフト日本惜敗で2位通過 きょう決勝 悲願の金へ米と再戦
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米国にサヨナラ負けで今大会初黒星を喫した日本ナイン=横浜スタジアム
米国戦に先発した藤田
 

 1次リーグ最終戦で、既に決勝進出を決めている日本は米国に1-2でサヨナラ負けを喫し、通算4勝1敗で2位での突破となった。27日の決勝では、前回実施された北京大会以来の金メダルを懸けて、5戦全勝で1位の米国と再び対戦する。

 日本は一回に捕逸で1点を先取したが、五回まで無安打と好投していた藤田倭(ビックカメラ高崎)が六回に同点打を許し、七回にサヨナラ本塁打を浴びた。

▽1次リーグ

日 本(4勝1敗)
1000000―1
0000011x―2
米 国(5勝)

(日)藤田-峰
(米)カルダ、オスターマン、アボット-ムンロ
▽本塁打 スチュアート(米)

 ○…日本はサヨナラで初黒星を喫した。一回に捕逸で1点を 先制したが、五回まで無安打と好投していた藤 田が六回に3安打を許して追い付かれ、七回にソロを浴びた。打線は二回以 降は二塁を踏めず、米国の3投手に対し12三振だった。

◎13年ぶり先発夢舞台に感涙 捕手の峰
 因縁の決勝カードが既に決まり、前哨戦に位置付けられた1次リーグ最終の日米戦。日本は2008年北京五輪優勝捕手の峰を13年ぶりに先発マスクで送り出した。最後のスカウティングを託された大ベテランは「五輪でもう一度マスクをかぶれた。13年間、頑張ってきて本当に良かった」と試合後に感極まり、落涙する場面もあった。

 普段は別チームの藤田とのバッテリーでも、非常に安定したリードだった。初球後にすぐタイムを取って駆け寄り、サインのずれを修正する老練ぶり。各打者のこれまでのデータと現状の違いを探り、イニング後に我妻に伝えて着々と決勝への準備を積み重ねた。

 33歳。代表やルネサスエレクトロニクス高崎(現ビック高崎)で活躍、上野と共に本県の顔を務めた。14年に「競技をやりきった」と我妻に後を託して一度引退。16年シーズンからトヨタ自動車で日本リーグに復帰して、19年に代表へ。頭脳プレーを得意とし、この日も二つの併殺で米国打線を押さえ付けた。

 六回1死からノーヒットノーランを崩されると押せ押せムードで同点に追い付かれ、七回にサヨナラソロを浴びた。「技術的な高さより『絶対勝ちたい』という米国の気持ちを感じた。今回の結果をバッテリー全体で共有し、決勝につなげる」と話した。

 08年北京決勝後。メダルを得た日本と米国、オーストラリアの3代表はボールで「2016」の文字をグラウンドでつくり、「バックソフトボール」(再び五輪で競技を)と叫んだ。しかし16年リオデジャネイロで復活を逃し、さらに5年の時を要した。多くの選手がこの間に現役を去った。

 それでも金メダルバッテリーだった上野と峰、決勝打を放った山田主将、米二枚看板のアボットとオスターマンが再び決勝に集う。日本リーグ前半戦後、峰はトヨタでチームメートのアボットと「決勝で会おう、そしてソフトを盛り上げよう」と誓い合った。約束の時が迫る。
(田中暁)

◎上野「出し切る」 決勝へ最終準備
 前日のカナダ戦で先発し、6回無失点で決勝進出に貢献した上野はベンチから米国打線を観察した。「(藤田)倭が良い形でずっと投げてくれて良いデータが取れた。しっかりビデオを見て研究する」と27日の決戦へ最終準備に入った。

 米国打線について「全体的にしっかり振れている。ほとんど長打を打てる打者。打順に関係なく丁寧にいく」と話した。自身と藤田の球質の違いを踏まえ、対戦のイメージを固めるという。

 6回2失点のメキシコ戦の反省を生かし、カナダ戦で投球を引き締めた手応えはある。中1日で疲れの心配もない。「特別に変わったことはしない。ただ、後悔のないように投げる。決勝で出し切る」。13年の月日に感慨を示すそぶりもなく、ひたむきに投げる「あした」だけを見ていた。
(田中暁)

◎投げ抜いた藤田 「次につなげる」
 27日夜に決勝を戦う米国との1次リーグ最終戦。日本は藤田が「4番・投手」で先発し、一人で投げ切った。1-1の七回にサヨナラ 本塁打を浴び、前哨戦には敗れたが、金メダル獲得へ、米国を研究する ミッションは完遂。「勝敗は関係なかったので思い切った投球をしようと思った。この経験を大事に して次につなげたい」と話した。

 エース上野と、救援で大活躍の後藤はベンチで戦況を見守った。藤田はここまで1試合の登板にとどまっていた悔しさをぶつけた。打者の手元で微妙に動く球を駆使し、五回まで無安打に抑えた。

 投打の「二刀流」で注目される30歳。2016年に東京五輪の追加種目入りが決まった際、すぐには五輪を目指す決意が固まらなかった。17年4月に佐賀女高時代の監督だった久保田昭氏が闘病の末に亡くなった。弔辞で「東京五輪で誰よりも輝く」と誓った。

 打撃では初戦から3試合連続本塁打を放っている。決勝に向け「泣いても笑っても最後。今までやってきたことを全てぶつけられるようにしたい」と意気込んだ。

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