《五輪フェンシング》女子サーブル団体 ホスト国の意地見せ5位
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女子サーブル団体5、6位決定戦 米国選手(左)と対戦する田村紀佳=幕張メッセ
女子サーブル団体1回戦 チュニジアに勝利した(右から)江村美咲(後ろ姿)、青木千佳、田村紀佳、福島史帆実の日本チーム=幕張メッセ
田村選手を応援する人たち=テラス沼田

 女子サーブル団体で青木千佳(ネクサス)、田村紀佳(旭興業、高崎商大附高出身)と江村美咲(立飛ホールディングス)福島史帆実(セプテーニ・ホールディングス)の日本は米国との5、6位決定戦を45-43で制して5位となった。

 1回戦でチュニジアに45-29で勝った日本は、準々決勝では第1シードのROCに34-45で敗れた。5~8位決定予備戦ではハンガリーに勝った。決勝でROCがフランスを下して金メダルを獲得。韓国が銅メダルだった。

◎ベテラン田村が意地の再逆転 勝利呼び込む

 ベテランの田村が苦しい状況からチームを引っ張った。日本は5―8位決定戦でハンガリー(世界ランキング5位)、5位決定戦で米国(同6位)を連破してホスト国の意地を見せた。

 米国戦は7―10のビハインドで迎えた第3試合で、開始早々から積極的に仕掛けて連続得点。攻めのスピード感だけではなく、受けながらの反撃も巧みに決め、15―12と一気に逆転した。第6試合はやや精彩を欠いたが、恩師ウッチェコーチの激で気持ちを切り換えた。

 第8試合は、まさに集大成。「本当に五輪ラストの試合で、いつもみたいに迷った自分でいたらばかばかしい。やるしかない」と心身にメリハリを取り戻して再びの逆転劇を演じ、日本の勝利を呼び込んだ。

 大会全体で出し切れた思いはあるが、準々決勝のROC(同1位)戦を惜しんだ。「心と体がちぐはぐだった。(決定戦のように)もっとちゃんとできていたら。もったいない」とメダルを逃した実感を込めた。

 腐らず戦い抜けたのは12年ロンドン五輪で韓国男子サーブルを団体金に導いたウッチェコーチの影響が大きい。「一つでも上の結果を残すのはすごく重要なこと」と繰り返し伝えた。「サーブルファミリー」として寝食を共にした田村たちは、次代にいい加減な成績を引き継げないという思いが宿っていた。

 競技に一区切り付いた思いはあり、「コーチやサポートメンバーには感謝しかない」と頭を下げた。ただ、サーブルのみ五輪メダルがないことは心に引っ掛かるといい、「今後はまだ考えていない」と話した。(田中暁)

◎青木主将「やり切った」

 ○…2016年リオデジャネイロに続く2大会出場を果たした青木主将は仲間とともに戦えた日々に感謝した。「『たとえやられても迷わず前へ』と決めていた。やり切った思いが強い」と話した。

 昨晩は同じ福井県出身の先輩でもある見延ら男子エペの優勝をテレビで見守り、「普段一緒に練習してるメンバーが金メダルを取る瞬間を見た。私たちも頑張ろう」と心を一つにしたという。

 見延同様に、自身も団体1回戦のチュニジア戦を最後に出場機会は巡ってこなかったが、応援に声をからした。「どうやったらチームが上に行くか、それだけを考えていた。五輪で戦えて良かった」とうなずいた。

◎輝く勇姿に「良く頑張った」 田村選手の地元沼田 家族や市民が応援

 東京五輪フェンシング女子代表の田村紀佳選手(30)=旭興業=がサーブル団体に出場した31日、出身地の群馬県沼田市のテラス沼田に応援会場が設けられ、家族や市民ら約80人がスクリーン越しに熱戦の行方を見守った。惜しくも準々決勝で敗れたものの、5位入賞。地元のスターの勇姿に大きな拍手が送られた。

 田村選手の父、吉文さん(66)は「各所でいい攻撃はあったが、負けて残念。盛大な応援ありがとうございました」と感謝。母の純子さんは「最初、少し動きが硬かったかな。力足りず負けてしまったけど、良く頑張った」とねぎらった。

 「男子の金メダルに、紀佳は『勇気をもらった』と言っていた」。前日夜もLINEで連絡を取っていたという姉の大杉麻里子さん(32)。「個人戦より動けていた。会場で応援できなかったが、大舞台で戦う姿を見せてくれてありがとうと言いたい」とたたえた。
(堀口純)

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