「障害あっても夢はかなう」 車いすレーサーの青木拓磨がルマン24時間に初参戦 青木3兄弟の次男
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「ルマン24時間」に参加する青木(@athletebank)

 車いすのレーシングドライバー、青木拓磨(47)=群馬県渋川市出身=が伝統の自動車耐久レース、第89回ルマン24時間(21~22日)に初出場する。世界三大レースの一つで、世界一過酷なモータースポーツとして知られるルマン開幕を迎え、「世界中のトップ選手が集まる大会に出場できることが感慨深い。しっかりと戦っていきたい」と意気込む。

 ルマンは1周13.6キロのサーキットを24時間走り続け、走破した距離を競う。1チーム3人が交代で運転し、最高時速320キロにも達する。運転技術はもちろん、集中力や精神力が不可欠だ。

 青木はフランス人実業家、フレデリック・ソーセさんがオーナーを務めるチーム「SRT(ソーセ・レーシング・チーム)41」から出場する。レーサー3人のうち青木を含む2人に身体障害があり、参加は特別枠の「イノベーティブ・カー」クラス。車両にはブレーキやアクセルを上半身だけで操作できる手動運転装置が付いている。

 オートバイレーサーだったが、1998年にテスト走行中の事故で脊髄を損傷。下半身不随となったが、レースへの思いは消えず、四輪に転向した。ルマン出場に向けて、2018年から同国のレースに参戦するなど準備を続けてきた。

 レースに挑戦し続ける原動力について、「『車いすだからすごい』ではなく、障害があってもできることがあると伝えたい」と話す。その背景にあるのは、車いす生活になった際、自身のさまざまな行動を周囲から制限された経験。「障害があると、こんなに社会的障壁が多いのかと感じた。障害の有無にかかわらず、挑戦をやめたら、そこで終わってしまう」

 健常者と同じレースに出場できるモータースポーツは、世界一のバリアフリースポーツでもあるという。「車いすであっても、挑戦することができる。障害があっても、夢はかなう」(村上真代)

あおき・たくま  1974年生まれ。97年にオートバイの世界選手権シリーズ最高峰の500㏄クラスで世界ランキング5位に入るなど活躍した。翌98年の事故以降、車いすで生活し、四輪に移って2007年にレースに本格復帰した。

 ルマン24時間 フランス西部のルマンで行われる自動車耐久レースで、F1のモナコ・グランプリ、米国のインディアナポリス500マイル(インディ500)と並び、世界三大レースの一つと称される。1923年に始まり、第2次世界大戦などによる中断を挟んで今年で89回目。公道部分と常設サーキットを組み合わせた1周約13.6キロの特設コースをドライバーが交代しながら走る。最上位のクラスでは昨年、トヨタの中嶋一貴らが優勝。トヨタは日本メーカー初の3連覇を果たした。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事