東京パラリンピック閉幕 コロナ下、二つの祭典完結
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閉会式でともる聖火。手前は日本選手団=5日夜、国立競技場
女子マラソン(視覚障害T12)で優勝し、笑顔で日の丸を広げる道下美里。左は伴走者の志田淳さん=国立競技場
 

 第16回夏季パラリンピック東京大会は5日、東京・国立競技場で閉会式が行われ、13日間の戦いに幕を下ろした。五輪同様に新型コロナウイルスの影響で1年延期となり、緊急事態宣言下で原則無観客の開催だったが、世界中から集った障害のある約4400選手が個性や能力を発揮。多様性を尊重し合う「共生社会」の意義を発信した。

 五輪を含む二つの祭典は致命的なトラブルなく日程を終了し、準備に8年をかけた大会は完結した。一方で多くの混乱や開催への批判もあり、描いた大会像からはほど遠い形となった。チケット収入の大半を失った大会組織委員会は数百億円規模の赤字を見込むなど多くの課題が残った。

 日本選手団は初の金メダルなしに終わった2016年リオデジャネイロ大会から巻き返し、金は13個。メダル総数は史上2位の51と奮闘した。大会には162カ国・地域の選手と難民選手団が参加。政情不安のアフガニスタンの選手も複数の国や関係機関の支援で出場にこぎつけた。

 閉会式には、天皇陛下の名代として秋篠宮さまが出席され、菅義偉首相も参加。選手はあらかじめフィールドに待機し、各国・地域の旗手のみが行進。日本は卓球男子の岩渕幸洋(26)=協和キリン=が日の丸をはためかせ、笑顔で入場した。

 パラリンピック旗は、東京都の小池百合子知事から、国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長を経て、3年後の開催地パリのイダルゴ市長へ引き継がれた。パーソンズ氏は開催への謝意を示し「インクルーシブな(分け隔てのない)未来への幕開けだ」と述べて閉会を宣言し、聖火が消された。

 東京でのパラリンピックは1964年の第2回大会以来57年ぶり。前回が障害者の社会参加の契機となったように、今回もレガシーを残すことが期待される。

 大会関係者向けのコロナ対策は五輪から強化。子どもたちが対象の「学校連携観戦プログラム」は教育的意義から一部で実施したが、中止に転じるケースが相次いだ。

◎金ラッシュで有終
 東京パラリンピック最終日の5日、陸上のマラソンは国立競技場発着で行われ、視覚障害T12の女子は前回大会2位で世界記録保持者の道下美里(44)=三井住友海上=が3時間0分50秒で金メダルを獲得した。バドミントンは女子ダブルス(車いす)の里見紗李奈(23)、山崎悠麻(33)組=NTT都市開発=が決勝で中国ペアを下し優勝、里見はシングルスとの2冠を達成した。男子シングルス(車いすWH2)の梶原大暉(19)=日体大=も決勝で韓国選手を破り、金メダルに輝いた。

 車いすバスケットボール男子の日本は初進出の決勝で前回優勝の米国を相手に大健闘。60-64で惜敗し、銀メダルだった。

 マラソンの男子は視覚障害T12の堀越信司(33)=NTT西日本=と上肢障害T46の永田務(37)=新潟県身体障害者団体連合会=が銅。車いすT54の女子では夏冬合わせて8度目出場で今大会トライアスロンにも挑戦した土田和歌子(46)=八千代工業=が4位に入った。

 バドミントンのダブルスでは男子(車いす)の梶原、村山浩(47)=SMBCグリーンサービス=組と、混合(下肢障害、上肢障害)の藤原大輔(27)=ダイハツ、杉野明子(30)=ヤフー=組が銅メダルを獲得した。

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