力走 実る秋 ぐんまマラソンに1万5246人 支援企画24人が成果
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
秋晴れの上州路を走る大勢のランナー=前橋市上小出町、フルマラソンコース(アプリ「上毛新聞AR」をインストールしたスマホやタブレットをこの写真にかざすと動画を見ることができます)
(左から)フルマラソン男子 ガッツポーズでゴールする渋川、フルマラソン女子 2位に大差をつけ4連覇した沢畠
フルマラソンに挑戦した田村亮さん(右)

 市民ランナーの祭典「第28回ぐんまマラソン」(県、前橋市、高崎市、群馬陸上競技協会、上毛新聞社主催)が3日、前橋市の正田醤油スタジアム群馬をメイン会場とするコースで行われた。今回で4度目となるフルマラソン(42.195キロ)をはじめ、10キロ、リバーサイドジョギング(約4.2キロ)の3部門に、北海道から沖縄までの1万5246人が出場し、秋晴れの上州路を走り抜けた。

 フルマラソン初挑戦者の支援企画「180日プロジェクト」に参加した24人が本番を迎え、半年間にわたってSUBARU陸上競技部の奥谷亘監督から指導を受けた成果を発揮した。

 今大会での新たな取り組みとして、中央情報大学校とドコモCS群馬支店によるライブ中継が行われ、ランナーの力走や沿道の応援風景などがインターネット上で配信された。

 開会式では、上毛新聞社の内山充社長が開会宣言。大沢正明知事は「たくさんの沿道の声援を力に変え、完走することを期待する」とあいさつした。

 多彩なゲストランナーが大会を盛り上げ、フルマラソンにはタレントのにしおかすみこさんが参加した。お笑いコンビ「タイムマシーン3号」の関太さん=中之条町出身=がリバーサイドに、相方の山本浩司さんは10キロに挑戦。タレントの横塚沙弥加さん=みどり市出身、山田彩乃さん=桐生市出身=はそれぞれリバーサイドを走った。

  ◇   ◇   ◇  


 名称変更から3度目を迎えた第28回ぐんまマラソンは1万5246人が出走した。フルマラソン(42.195キロ)の男子は渋川裕二(前橋・高崎市役所RC)が2時間28分5秒で初の栄冠を手にした。女子は沢畠朋美(埼玉・さわはた~ず)が2時間41分50秒で4連覇を果たした。10キロ男子は斎藤拓也(東京・日税ビジネス)が32分3秒で3年ぶり2度目の優勝、女子は根元香苗(埼玉・青春ランナーズ)が39分52秒で2連覇を果たした。

◎ロングスパートで逆転…男子フルは公務員の渋川裕二優勝

 11月にしては強い日差しが照りつけるスタジアム。フルマラソン男子で真っ先に飛び込んできたのはゼッケン2番、昨年2位の渋川だ。ガッツポーズはやや控えめながら、内心は「上毛新聞の1面もらったなって感じだった」。屈託なく笑った26歳が、4度目の出場で初戴冠した。

 2度、諦めた優勝だった。1度目がエントリーリストに「知る人ぞ知る」快足市民ランナー、井上直紀(東京陸協)の名前を見つけた時。2度目はこの日の2キロ地点だ。その井上がトップ集団からぐんと抜けだし、「やっぱり無理だと思った」。

 もっとも、それが良かったのかも。焦りも力みもなく「自分のペースで走れた」。安定のピッチを崩したのは1度だけ。40キロ手前、独走状態だった井上の姿を捉えてようやく「欲を出した」。気合のロングスパートで一時は4分以上あった差を覆す逆転劇を演じた。

 初マラソンは大学3年生で、本格的に始めたのは社会人になってから。大会に出場するたびにタイムが伸び、その感覚が病みつきになった。高崎市役所で働きながら今も月に400キロ、主に一人で走り続ける。

 ストイックでいられるのは「自分はまだまだ速くなれる」と信じているから。一つ年上に大迫傑(ナイキ)がいるのも大きい。10月のシカゴ・マラソンで2時間5分台を出した日本のエースに「刺激、というか衝撃を受けている」。満足している暇はない。伸び盛りの公務員ランナーには、まだまだ先がある。(椛沢基史)

◎序盤から貫禄の独走…女子フル・沢畠朋美が4連覇

 フルマラソン女子で4連覇を飾った沢畠は5日前、自己ベスト更新と引き換えに両脚を痛めていた。この大会は棄権も考えたが「群馬は好き。走りたい」。本調子ではなくても序盤から独走状態に入り、女王の貫禄を見せつけた。

 5日前に茨城で挑戦したフルマラソンで2時間36分13秒を記録した。この1年、さらなる成長を求めてスピード強化に励んだ成果だった。

 だがゴール後、脚の痛みに気付いた。「大丈夫かな…」。大きな不安に駆られた。

 ぐんまマラソンに向け、脚の様子を見ながら歩いて調整した。出走前にはテーピングを張ってもらい「少し安心」。「完走できればいい。勝負はかけない」と自分との戦いに徹した。

 いざ走るとやはり痛かったが、ベストのラップから落として5キロ当たり18~19分台で着実に歩を進めた。後半は痛みが増すも、「ここまできてやめちゃうのもな…」。気力でゴールへ突き進み、2位と18分59秒差でエンジンの違いを示した。

 埼玉・所沢北高で陸上部に所属。インターハイに出場する実力はなかったというが、卒業後も趣味で走り続けている。走法にこだわりはないが、「走るのが好き。好きじゃないと続けられない」と、ひた向きに努力を重ねてきた。

 目標は35分台を出すこと。今後も連戦になるが構わない。「出たい大会がたくさんあるから」(中里圭秀)

◎ロンブー亮さんフル挑戦…地元の女性サポート

 ランニング情報番組「ラン×スマ~街の風になれ~」の企画で、番組司会者の「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮さんがフルマラソンに挑戦した。「街中より田舎の自然のあるコースの方が好き」と上州路を楽しんだ。

 田村さんは2015年横浜マラソンの完走を皮切りに各地のフルマラソンに挑戦し、今回で5度目。「もともと走るのが嫌いだが、今では気持ち良くなっている。タイムは考えず、気持ち良く走ろうとみんなに伝えたい」と意気込む。地元の一般女性をサポートしながらゴールを目指した。

 番組はNHKのBS1で12月22日午後6時から放映予定。

◎一世を風靡した自己紹介で笑い…フルに参戦のにしおかすみこさん

 タレントのにしおかすみこさんが、フルマラソンに参加した。開会式では「にしおか~すみこだよ~」と、一世を風靡ふうびしたお決まりの自己紹介で笑いを誘った。初めて走った上州路だったが「走りやすい秋晴れだった。皆さんに声を掛けていただいて楽しかった」と喜んだ。

 この日のコンディションは「超元気」。スタート地点では「頑張って」とランナーとハイタッチしてから出発。走っていると周囲の走者から「にしおか~」と振られ、「すみこだよ~」と笑顔で応じたという。「一番名前を言ったマラソン大会かも」とうれしそうな表情を見せた。

 マラソンが趣味で、市民ランナーとして走るようになったのは10年ほど前から。自己ベストは3時間5分35秒。ゴール地点でもランナーを笑顔で迎え、写真撮影にも快く応じていた。

◎子どもの姿見て「私も頑張れた」…リバーサイド参加の横塚沙弥香さん

 みどり市出身のタレント、横塚沙弥加さんはリバーサイドジョギングに参加。中学時代は陸上部に所属し、正田醤油スタジアム群馬で走ったことがあるという。「懐かしい感じがした。さまざまな世代の人と一緒に走れて楽しかった」と満面の笑みを浮かべた。

 普段は犬の散歩で走るくらいで、大会前日は「最後まで走れるか不安だった」。だが、会場で小さい子どもが一生懸命に走る姿を見て、「自分も頑張れた」とゴールまで走り切った。

 「『ちゃんさや』とたくさん声を掛けてもらい、本当にうれしかった」と参加者の声援に感謝した。レース後はトークショーやゴールした走者とハイタッチするなど積極的に交流し、会場を盛り上げた。

◎励まし合い「心地良い」…リバーサイド参加の山田彩乃さん

 桐生市出身で、地域活性化モデルとして新潟を拠点に活動している山田彩乃さんがリバーサイドジョギングに挑戦。初めてのマラソン大会出場となった。

 利根川沿いのコースを、他の参加者らと景色を楽しみながら完走。ミスアース日本代表に選出された経歴もあり、「木々が紅葉し始めていてきれいだった」と自然を楽しんだ。

 「練習はしなかった」が、ベビーカーに乗っている子や仮装している子とおしゃべりし、途中で合流したフルマラソン参加者と励まし合いながら走っていたら「疲れはなく、心地良いくらい」だった。

 「少しずつ距離を延ばして、次は10キロを目指す。レースを重ねて『今年も会ったね』って言える顔見知りを増やしたい」と意欲をのぞかせた。

◎声援力に完走 「来年も」意欲…「ぐんま一番」出演のタイムマシーン3号

 群馬県広報番組「ぐんま一番」に出演するお笑いコンビ、タイムマシーン3号の2人がゲストランナーとして出場した。

 リバーサイドジョギングを走った関太さん(中之条町出身)は、約4キロのコースを1時間ほどかけてゴール。「みんな優しく声を掛けてくれてとても楽しかった。給水所に行く度に飲み物を勧められて体が重いです」と冗談交じりに振り返った。

 相方の山本浩司さんは10キロマラソンに出場。出発時には一緒にスタートした関さんの猛ダッシュに置いて行かれ、観客の笑いを誘う場面も。ゴール後には「友だちがいっぱいできた。多くの方に『番組見てます』と声を掛けてもらい力になった」と充実感をにじませた。

 レース後「来年も走りたい」と意欲を見せた2人。行く先々で多くの人に囲まれ、最後まで笑顔を届けた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事