育英、健大4強逃す 春季関東高校野球
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前橋育英-浦和学院(埼玉) 4回を投げ、9三振を奪った育英の丸山=水戸市民
東海大相模(神奈川)-健大高崎 4回裏健大2死一、三塁、安藤が堀江をかえす左越え二塁打を放ち同点=茨城県・ひたちなか市民

 【茨城=本社取材班】高校野球の第69回春季関東地区大会第3日は22日、茨城県の水戸市民球場などで準々決勝4試合を行い、前橋育英は浦和学院(埼玉1位)に0-2、健大高崎は東海大相模(神奈川1位)に2-3で惜敗し、ともに4強進出を逃した。大会第4日は23日、同球場で準決勝2試合を行う。

 ▽準々決勝(水戸市民)

 前橋育英(群馬1位)
  000 000 000-0
  001 010 00X-2
 浦和学院(埼玉1位)

 【前】根岸、丸山-戸部
 【浦】近野、佐野-秋山
 ▽二塁打 秋山(浦)

 【評】前橋育英は浦和学院より多い6安打を放ちながら、得点に結び付けられなかった。七回は堀口と久保の連打で無死一、二塁、八回は黒沢の左前打などで一死一、三塁の好機をつくったが、生かせなかった。

 五回途中から登板した2番手丸山は、打者16人に対して9奪三振の好投を見せた。

◎左右のエース夏へ奮起誓う
 前橋育英と浦和学院はともに昨秋から、それぞれの県内で公式戦無敗。対決は投手力と守備力を競う展開になった。育英は右の根岸崇裕から左の丸山和郁へ、浦和も同様に右から左への継投策を採ると互いに打ち崩せず、浦和学院が序盤の貯金を守る結果となった。

 丸山は五回裏無死満塁でマウンドに立った。四球の押し出し1点は痛かったものの、三つのアウトを全て三振で取り、ピンチを断った。その後も圧巻の三振劇は続き、スタンドの観衆が思わずうなった。敗戦とは言え、文句なしの“マンオブザマッチ”だった。

 しかし選抜甲子園のマウンドにも立った男に笑顔はない。「どんな状況でも行ける準備はしている」とぽつり。そんなことより、失点を防げなかった自分を許せなかった。「流れをさらに厳しくした」。恐ろしいほどの勝負根性で試合を振り返っていた。

 先発した根岸も苦しみながら、四回まで粘りの投球を続けた。荒井直樹監督が「成長への期待を込めた」という背番号1を付けた右腕は「まだ気持ちが弱い。もっと自分を追い込む。今日の丸山みたいに投げられたら」と奮起を誓った。

 明確な敗因を挙げるのは難しい。夏に向けて何が必要なのか、各自が悩んで答えを探す題材となる、そんな敗戦だった。(田中暁)

◎落ち着いて2度の併殺 育英・堀口
 今春から二塁にコンバートされた前橋育英の堀口優河にとっては、確かな自信をつかむことができた一戦だろう。落ち着いて2度の併殺プレーを完成させた。

 1度目は二回無死一塁の場面。二塁に完全に背を向けてゴロを捕球すると振り向きざま、ベースに入った遊撃黒沢駿太にストライクの送球。2度目は三回一死一塁から、手前に落ちた打球を出足鋭くハーフバウンドでつかみ、一走にタッチ。一塁送球もしっかり間に合わせた。

 「手投げでなく正面を向いた送球ができ、厳しい場面もミスが出なかった」とうなずく。一方で「打撃はもっと頑張りたい」。3安打を放った相棒、黒沢に負けぬようにと宿題に挙げた。

 ▽準々決勝(ひたちなか市民)
 東海大相模(神奈川1位)
  110 000 100-3
  010 100 000-2
 健大高崎(群馬2位)

 【東】秋田、大和田、斎藤-山田翔
 【健】伊藤、片倉、向井-長島
 ▽二塁打 山田翔2(東)安藤(健)

 【評】健大高崎は2点を追う二回、先頭高山の中前打を足掛かりに、伊藤の適時打で1点を返した。四回は2死一、三塁から安藤の適時二塁打で同点に追い付いた。しかし五回以降は1安打に抑えられた。

 先発伊藤は二回に3連打を喫するなど3回2失点。以降は3投手の継投で粘ったが七回に勝ち越された。

◎技ありの攻勢 投手も手応え
 敗れたとはいえ、健大高崎には収穫大のゲームとなった。青柳博文監督は「今できることは精いっぱいできた。また一皮むけた打線に仕上げたい」と、打撃力のさらなる強化に決意を示した。

 5安打ながら、四回は技ありの攻勢で追い付いた。無死一塁、バスターを指示された5番堀江悠介は、相手投手が盗塁を意識して直球でくると踏んでいた。バントの構えで広く空いた三遊間を狙い、初球の高めをコンパクトにたたきつけた。「(バスターは)ケースバッティングで練習している。自信があった」と胸を張った。

 2死一、三塁となり、右打者の8番安藤諭が初球を左翼へ運び同点とした。相手投手は右横手で、背中から来るようなボールが打ちにくいのは承知の上。「向こうのペースになったら駄目だ」と追い込まれる前に狙っていった。

 投手陣も4人が登板し、県予選の打率4割1分7厘と好調な東海大相模打線を3点に抑えた。三回までに5安打を浴びた先発伊藤敦紀にも、青柳監督は「気持ちが入っていた」。継投した片倉雅史、向井義紀、長島光希は粘り強く1失点にとどめた。敗北にもどこか晴れやかな指揮官の顔に、夏への期待が表れていた。(中里圭秀)

◎スライダー決まらず 健大・伊藤
 健大高崎のエース右腕伊藤敦紀が、選抜甲子園以降で初めて公式戦に先発した。県予選では1イニングしか投げておらず、不本意な結果になったが「ストライク先行で、コースを投げ分けられるようにしないといけない」と、“久しぶり”の舞台で教訓を得た。

 得意のスライダーが思うように決まらなかった。試合の流れをつくろうとマウンドに上がっただけに、当然悔しさは残る。ただ捕手安藤諭が「球は悪くなかった」と振り返ったように、制球次第でいくらでも修正は効きそう。勝負の夏に向け、さらなる成長を予感させる試合となった。

 作新学院(栃木)
  401 020 100-8
  020 000 110-4
 早実(東京)

 【作】篠原、高山-加藤
 【早】服部、池田、今井、赤嶺-野村
 ▽本塁打 石戸(作)清宮(早)

 霞ケ浦(茨城)
  000 030 102-6
  213 020 00X-8
 日大三(東京)

 【霞】川崎、遠藤-鈴木
 【日】金成、八木-津原
 ▽本塁打 丸山(霞)津原(日)

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