《白球の詩》育英の兄とともに… 双子の夏 充実 高崎・四十山凱斗遊撃手
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
二盗を狙った走者をタッチアウトにする高崎の遊撃・四十山凱斗(あいやま がいと)=高崎城南

 「群馬大会決勝で双子の兄、捷斗はやとのいる前橋育英と戦いたい」―。試合中に兄を意識したことはないが、わずかな時間差でこの世に生を受け、群馬県高崎市の少年野球チーム「城南ファイヤーズ」に小学2年時に入って以来、ずっと一緒に野球をやってきた。

◎文武両道/私学強豪 それぞれの道へ
 凱斗が2200グラム、捷斗は1900グラムで誕生した。母、明美さん(51)は「2人の性格は真逆。凱斗は元気で、思いをアピール。捷斗は淡々としていて、あまり気持ちを表に出さない」と話す。

 父の満紀さん(51)もかつてファイヤーズで野球をした。「男の子だったら野球をやらせたい」という願いがかない、自身もコーチとして携わった。技術よりも「野球はチームプレーだ」と教えた。

 6年生の時に全国大会に出場。先発メンバーに入るのは大変で、凱斗も捷斗も、ライバルでもある仲間に負けまいと、練習後にバッティングセンターに通ったり、家で素振りをして鍛えた。2人とも「指導者と仲間に恵まれ、今の自分たちがある」と話す。

 中学時代は2人とも高崎中央ボーイズに入り、ここでも全国大会に出場。2回戦で優勝したチームに敗れたものの精いっぱい一緒に戦い、悔し涙を流した。

 高校進学で進む方向が分かれた。凱斗は「文武両道の中で野球をやりたい」。捷斗は「私学の強豪校で甲子園に出場したい」とそれぞれの道を選んだ。だが、けんからしいけんかをしたことがなく、家の風呂に2人で入り、長いときは30分以上何でも話すという双子ならではの世界を共有する。

 この日の凱斗は1番遊撃で出場。四回裏に先頭打者として中前打を放ち、バントで二進、4番塚越竜一の右前打で先制のホームを踏んだ。「先頭の自分が打てばチームが勢いづく」。きっちりと役割を果たした。捷斗は初戦、代打で出場し中飛に倒れたが、次の試合こそはと意気込む。

 最後の夏。2人一緒に甲子園に立つことはできないが、チームを第一に考える2人にとって、最も充実した時間を迎えている。(斎藤雅則)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事